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「東京大学の親の職業・出身校・出身地域から見てとれる経済格差・学歴格差・地域格差」


今回は、以上の表が示すデータについて、詳細に分析してみます。このデータからは、東京大学(東大)への進学に対する「経済格差」「学歴格差」「地域格差」など、複数の社会的格差が浮き彫りになっています。以下に、それぞれの点について掘り下げて考えていきます。


1. 経済格差

父親と母親の職業

  • 父親の職業における「管理職」の割合:東大生の父親が「管理職」に就いている割合は39.9%で、一般の学生の父親(3.6%)と比べると約11.2倍の差があります。

  • 母親の職業における「管理職」の割合:東大生の母親が「管理職」に就いている割合は5.0%で、一般の学生の母親(0.5%)と比べて約10.6倍です。

このように、東大生の両親には「管理職」についている割合が一般学生の両親と比べて非常に高く、社会的地位が高いことが示されています。管理職は高収入を得やすい職業であることが多く、家庭の経済的基盤が安定している可能性が高いです。経済的に裕福な家庭は、子どもに良い教育環境を与えることができ、塾や家庭教師などの追加の教育投資が可能です。これにより、東大への進学の可能性が高まると考えられます。

影響の背景

経済的に恵まれた家庭では、質の高い教育環境を提供することができ、学業面でのサポートも手厚くできます。家庭の収入が高いほど、塾・予備校などの教育費に充てられる予算も増えるため、学力を高める機会が増え、難関大学に合格しやすくなります。


2. 学歴格差

出身高校の違い

  • 国立高校出身者:東大生の6.9%が国立高校出身であるのに対し、一般学生の国立高校出身は0.3%です。これは25.2倍の大きな違いです。

  • 私立高校出身者:東大生の47.4%が私立高校出身であり、一般学生(33.6%)と比較しても高い割合です。

国立高校は、学力が高く、全国から優秀な生徒が集まる進学校が多いです。また、私立高校には中高一貫教育を行う進学校が多く、家庭が教育に高い投資を行っていることが示唆されます。経済的に余裕のある家庭では私立や国立といった進学校への進学がしやすく、教育格差が生まれやすいと言えます。

影響の背景

東大に合格するには、質の高い教育環境が必要です。私立や国立の進学校では、大学受験に特化した教育が行われることが多く、難関大学の入試に対応できるカリキュラムや試験対策が充実しています。こうした学校に通うことで、東大などの難関大学に合格する可能性が高まるため、進学校への進学自体が東大進学への「パスポート」の一つと考えられます。


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