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ふみのわ

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文芸部「ふみのわ」の文芸集です。 顧問のわたし、文(ふみ)先生が定期的に課題 "ぶんげぇむ" を出しますので、部員の皆さんはしっかりと課題に取り組んでくださいね! もちろん部員で…
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2021年4月の記事一覧

明&暗のラスベガス

✎“ぶんげぇむ”✐ 参加作品 課題:「落ちる」「闇」「路地裏」 キーワードを見た瞬間に書くことが決まってしまう、憑依のパワー。 今回、浮かんだのはラスベガス! その昔、憧れの旅行先だった。ときを経て、その感覚がどう変性したかを記してみたい。 子どもたちが巣立ってからは、夫婦でよく旅をした。休暇型の旅は別として、旅の目的地は夫の出張先がほとんどだった。亡き夫は年に数回、各地で開かれる学術的な会議に出席する機会があった。おかげで米国内外問わず、出張先は旅先だった。 出張

第7回文芸課題"ぶんげぇむ"発表します

みなさんこんにちは。文(ふみ)先生です。 前回、第6回ぶんげぇむでは、『電信柱』『あだ名』『運命』『未来』『カラフル』を課題のキーワードとさせていただきました! ぶんげぇむ開始以降初めて、文字数の上限が10,000文字(!)、原稿用紙にして最大25枚分までOKとしました。 締め切りも普段より1週間長く設定しましたが、超大作・力作が続々と届きましたよ〜✨ ふみ先生と章子先生の都合が合わず第6回の顧問会議は遅れているのですが、待っている間にも課題を出して欲しい!という声も

桜が咲いている

 中学校からの帰り道、友達と時々「荷物持ち」をした。  ジャンケンをして、負けた人が、次の電信柱までみんなの鞄を持って歩く。  私はひとりで帰るときにも、次の電信柱……次の電信柱……というふうに、電信柱を見ながら歩いた。退屈しのぎだったのだろうか。今思うとよくわからない。  そんなよくわからないことを、大人になってからもやっている。  七年前に通りすぎた電信柱は「係長」。今は「課長」という次の電信柱を見ながら歩いている。  「課長」という電信柱まで歩いたら、今度は「次長」