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映画の在り方が変わってきたと感じた今年の映画賞。

毎年、この時期になると海外の映画賞の話題が増えてきてワクワクしているのだが、つい先週、ゴールデングローブ賞のノミネート作品が発表されたようだ。今年は作品賞5作品のうち3作品がNetflix作品だという異例の事態となっているらしい。

私が記憶している限りでは、数年前にアカデミー賞でストリーミング系製作会社の(多分Netflix)オリジナル映画が劇場公開映画と肩を並べること自体が、議論になっていた気がする。それを思えば時代も変化したし、映画のあり方が今大きく変わっているのだろう。実際にNetflixのオリジナル作品(特にアメリカ本国の)は年々クオリティも上がっているし面白い作品が増えていることを感じる。

自分もここ数年は映画館にはときどき足を運ぶもののいわゆるレンタルDVDショップにはめっきり行かなくなってしまった。Netflixかアマゾンプライムビデオのなかで観たいものを探して、それ以外に観たいものがあってもアマゾン有料コンテンツもしくはitunesからでダウンロードしてしまえばいいだけだ。以前はHuluも契約していたがNetflixの方が好みのコンテンツが多いのでやめてしまった。

その一方で、ときどきTSUTAYAなどに行って見ると自分では気がつかなかった(というか忘れてしまっていた)観たかった映画や知らなかった名作映画に出逢うこともあるので、正直オンラインだけになってしまうのも、それはそれで寂しいし困るなあ・・という矛盾も感じている。

もう1つの矛盾といえば、Netflixで動画を観るのが毎日の日課となっているし、デビットフィンチャー、マーティンスコセッシといった名だたる監督らがこぞって素晴らしい作品をリリースしているというのもあり、ストリーミング系のコンテンツは今後ますます期待が膨らむばかりではあるが、一方で「映画はやっぱり映画館で観たいなあ。」とも思う。

映像や音響といった環境的な理由もあるけれど、その作品の内容や良し悪し以外に、その映画を誰と観たのか、いつごろの季節に、他の観客はどんな人が多かったのか、映画を観た後はどこで食事をしたんだっけ、というような過ごした時間などがセットになって思い出として記憶されているからだ。

子供だった頃に父親に連れて行かれたバックトゥーザ・フューチャーパート2。(途中で怖くて泣いてしまい途中退場して父をがっかりさせた)大学生の頃の恋人と渋谷のシネマライズで観たジョゼと虎と魚たち。パルプフィクションを観た後に無性に食べたくなったハンバーガーとスプライト。数年前、両親に誘われて観た4Kリバイバル上映の七人の侍。夫と付き合ったばかりの嵐の日に観たジム・ジャームッシュ監督のパターソン。どれも大切な記憶や思い出として心に残っている。

とはいえ今自分がいちばん気になっているのはゴールデングローブ賞にノミネートされていたNetflixで公開中の「アイリッシュマン」。マーティンスコセッシ監督の作品だ。(ちなみに、同じくノミネートされていた「マリッジ・ストーリー」もかなりよかった。)

自分の好きな映画やドラマがいつでもどこでも観られる利便性は活用しないわけには行かないし、ますます映画館での映画も楽しく感じる気がするからどちらも楽しめばいい。

今週末あたり、夫とともにのんびりとコーヒでも飲みながらアイリッシュマンでも観ようか。

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