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日記 【主体性を取り戻す作業】

振り返ると、うまくいかない時は大体の場合主体性を失っていた時であるように思う。

先日月に一度の美容室に行った。私は大体いつも「こうしたい」というスタイルがあるはずなのに今回ばかりはピンときていなかった。誰かにそれ似合うよ、と言われる髪型にしたかったというのもあるしなんとなく忙しくて考える暇もなかったのだ。

「髪の毛を切るのは自分ですけど、その髪と一緒にいるのはFumiさん自身だから。どうしたいか決めてもらわないと。」

いやあなたに提案して欲しかったんですよ、とその時は内心思いしばらくモヤモヤしたまま帰宅したのだが、ハッとした。

娘を出産以降、どうも自分に主体性というものがなくなったような気がしていた。

具体的にいうと、先の髪型の件もそうだけれど、あれだけこだわりが強かったはずの洋服も何を着たらいいのかわからない。
ああしたいとかこうしたいよりも世の中的にこうしたほうがいいではないかとか、そんなことばかり気にしていた。

育児中で自分のことに目を向けている余裕がなかった、というよりは基本的に自宅で過ごし子供と2人での毎日で視野が狭くなっていたからだと思う。

これは持論だが人間は主体的に何かを選んでいるように見えて実は誰かや何かとの比較や差異で自分のアイデンティティが決定づけられていくと思っている。私自身は外国に行ったりすると必ず自分が次にやりたい髪型だとかどんなインテリアにしたいだとか着たい服装だとかがなぜか明確になっていく。自分らしくいるとはいうけれど、実際そうするためには家にこもっていてはダメでより多くの価値観や多くの人に触れる必要がある。

まあでも、今そうできないのはやっぱり社会よりも今は小さな子を育てることに集中するモードで生きているからであるわけなので、仕方がないというか自然の原理だとも言えるのかもしれない。でもこうして気がついた時点で少しずつ自分も産後7か月がたちフェーズが変わってきているんだろう。

先月からパーソナルヨガに通い始めた。

以前もヨガをやっていたことがあるのだけれど通うのはかなり久しぶりだ。
たまたま家の近くを歩いていたら素敵な北欧調の建築があってチラッと見たらヨガスタジオという文字。すぐにオンラインで予約したらその空間も素敵だしお一人でやられている女性の方がとても魅力的で一気に好感を持ったので通うことに決めた。

正直にいうと、空いた時間に映画を見に行ったりするよりもずっとはやく自分の疲れやストレスが回復しているのを実感している。やりたいことやどうしているのが自分は好きなんだろうかだとかそういうことを体感で思い出してきてもいる。

むしろ出産とかそういう事は関係なく、もう何年も前から私は自分で体を動かして内面に向き合う時間が必要だったような気がする。これは自分のために続けていきたいと思う。

妊娠を機に都内に行く機会がなくなってしまっていたけれど、20歳の頃から長年ずっと通っていてお世話になっている表参道の美容室も予約した。1人で都内をぶらぶらするのが今はとても楽しみ。


娘と一緒に0歳の音楽教室というのにも行き始めてもいてそれがとても楽しい。先生が「今の人たちはお子さんと一緒にいられる時間がほんの数年前よりずいぶん短いように思う。良いとか悪いとかじゃ無くて、今のこの時間はかけがえのないものだから大切にしてね」と言っていた。

自分のことも大切だけれど娘のこともやはりなによりも大切なのだということも当たり前だけれどもっと認めていきたいと思った。


早く仕事をしなければ、とか体力を早く戻さなければ、とか社会から断絶されている気もして焦りを感じていたけれど、それだって周りの情報に流されて思い込んでいただけかもしれない。出産は女性にしかできない、だから大変だ、という風に考えがちだが(実際大変ではある)それをむしろギフトだと思いたい。

今、1番大切な娘とのこの時をゆったりと味わってたのしんでいきたいし、少しずつまた新たな生活の自分のペースを掴んで行きたいと思う。

読みたい本や観たい映画はたくさんあるけれど、それとは別のこれから新たにやりたい事にも取り組んでいきたい。そう考えたら急に楽しくなって来た。

2024.6.14日記


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