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塾講師の戦闘〜開戦篇〜

そういえばもうすぐ塾講師のアルバイトをはじめて4年目になる。

私が勤めている塾は自宅から電車で20分ほどで、
電車に揺られ始めてから数分ほどすれば、
車窓一面の田んぼ、田んぼ、田んぼ、田んぼだ。

まぁそんなところにある塾なので、近所の子どもたちが、やっほ〜いといった具合でやってきて、
大概の問題は、取り掛かってものの数秒で
わかんな〜い♡
だ。

決して勉強というものに対する意識が高い子どもが多い塾ではない。

そんなこんなでのほほんとやってくる子どもたちなので、こちらはチョコレート専門店のパティシエかのごとく子ども達の様子を伺いつつ、
いかに頂いている授業料を無駄にしないよう有益な90分間にするかの戦闘だ。

戦闘開始、先行はこどもたち。

テキストを開いて、解き始めようとペンをとる。が、そのまま固まってうとうとし始めるか、部活疲れたor今日あったエピソード聞いてやの会が始まるかの攻撃だ。

無論そう来ることはしかと心得ている故、
こちらは先手をとる。

因みに、何が原因でこの攻撃が展開されるかと言うと、解き方がわからない。というかそもそも問題の意味を理解していない。という点だ。

(授業中寝るから叱るなんてのははっきり言って本末転倒だ。何もはなっから"よし!授業だ!寝てやろう!"なんて子はそんないないだろう大学講義中の私を除いて。子どもに限らずだがこっちが何かしらアプローチしてるのに相手が寝てしまうというのは98%アプローチしてる側が悪いと私は思っている。私は。)

だからこちらの先手は、
まず一緒に類題を解くところから始める。

ただの類題をどっかのテキストから引っ張ってくるのではない。
りんご〜🍎とか、具体的にイメージしやすいものや、こどもの好きなキャラクターなどを上手くまぜまぜして、時には絵心を1ミリも感じさせない絵をわざと描いて入れてみたりして(わ、わざとだよ?)子どもの関心を引きつつ、ちょ〜〜簡単バージョンでこちらが問題をつくる。

だから流行りや子どもの興味関心を知っておくことは必須だ。うまいこと引き出した後、例え興味がなくてもとりあえずそれに足は踏み入れる。片足じゃなく両足くらいわね。

そして解かせる訳だがここでもうひとアタック。
それは、この問題を使って、あたかも

"あれ?私この問題余裕じゃん。私天才じゃん"

と思わせることだ。

コツは2つ。

1つ目は
子どもが自分で考え答えを導かせること。
無論それぞれ子どものレベルに合わせて、その子がちょっと考えればわかる程度の問題に調整するのでそんな詰まることはないようにこちらが頑張る。

2つ目は
できたことをしっかり認めること。
ここでポイントなのはあくまで"認める"ということだ。

"ここどーやって考えたの?"
"おお〇〇〇〇って考えたんだね私今そーやって教えようと思ってた!びっくり!(嘘)"


"ここ理解できたんだねよしじゃー次の問題もしかして余裕じゃない?"

簡単に言うとこーゆーことだ。
あれ?伝わるかしら。

つまり、あなたができたという事実を私はしっかり理解したよ、という意を示すということ。

最近、いや最近でもないか。
"褒めて伸ばす"っていう教育方針がやたら本になって流行っていたと思う。
あの類のものと類似していると言われればそうと言わざるおえないが、いやちょっと違うんよと私は言いたい。
許してねうふ。

褒める。といえば、
"すごいね!"とか"えらいね!"
って言葉が思いつくと思う。

例えばその言葉を、ある問題に正解した子どもにかけるとしよう。

その子はその問題を理解できたことを褒められたと感じるのではなく、正解したことを褒められたと感じるのではないだろうか。

正解することはえらいこと。すごいこと。

ってことは間違えることはえらくない、すごくないこと??

この認識を持った状態で、次の問題もその次の問題も間違えまくったらどうだろう。


さっきの正解解けた自分すごいぜになるだろうか。

結局間違えてる自分はやっぱりすごくない。
だめだ自分ってならないだろうか。

一方、必殺"認める"を用いることで、
次の問題もその次の問題も間違えても、
さっきの問題を理解できた自分への誇りは失われないのではないだろうか。

とかいって時々"すごい"とか使っちゃうんですけどね。反省です。はい。

こんな感じで第一関門は大体攻略していきます。
でもダメな時もありますもちろん。

言うて大体の子は授業始めにおしゃべりしてあげないとだめですね。
それで心理的安全性を確保するのか、今日も自分の話ちゃんと聴いてくれるぞ、わかってくれるぞと無意識的に認識するのかよーわかりませんが、
大体5〜10分くらいおしゃべりしてから始めた方がなんだかんだスムーズに授業が進んだりしますはい。保護者の皆様すみません。お許しください。

教育のことになるとなかなか手が止まりませんで、なんせチョコレート専門店並みの微調整が必要なもんですから、

今回は開戦のお話辺りで区切ります。

また次回に続く激闘も
お楽しみ頂けたら幸いです。

PS.

そういえば言い忘れましたが、
私は小学生から高校生までの、
国語、英語、数学をもっていますそういえば。

普段アルバイト何してますか?って聞かれた時、塾講師って答えると"すごいねー"って言われるのが嫌で、
「お喋りしてお金貰ってるだけですよー笑」
って流してるけど意外と熱量もってやってたりしたりしなくもなくもなかったり。。

でも私は何時間も立ちっぱなしでマルチにいろんな仕事をするコンビニやスーパーの売り子さんや、ブライダルとかで一日中歩き回って背筋伸ばして給仕をする方々の方がよっぽど大層なお仕事をされてると心から思ってます。
だってそーゆーお仕事って頭も回して体も動かさなきゃじゃないですか。
並の修行じゃないですよそれ。
それに引き換え塾講師は頭だけ回せばいいんだもんいえい。

椅子、万歳。

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