おぞましい二人

 あらすじだけ伝えようとすると、ありていにいえばムナクソの悪い、なんとこれは実際にあった猟奇殺人を元に絵本らしいのだけど、海外生まれのこの作品をジャパンで出版しようかいね、という話になった際には議論芬芬かなり意見が分かれたくらいの問題作ではあるものの、彼らの人生が描かれているという年月というものに思いをめぐらせると、そう言い捨ててしまうのは少し私にははばかられてしまう。全然関係ないけど、ムナクソって胸糞と書くわけですが、なかなかとんでもない字面ですね。胸に糞。感性がすごい。

 彼らの人生をどう考えるか、彼らのしたことの善悪はどうか、それはともかく、人間的な愛情の欠落した者たちであると世界に断罪された彼らも彼らなりに生きて、二人の間には愛があったように私には思えたのですけれど、そんなふうに考える私は悲しいかな誰かにとっての胸糞なのかもしれないと気付きながら、おぞましい二人の話をしています。

 

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