言葉のチカラを信じてるとか

耳あたりのよいフレーズが苦手というか、怖いなと思う。

キャッチーな言葉は人の心を動かす力がある、それは本当だけれどそのぶん、枝葉が削ぎ落とされて一面的だ。言葉を重ねてもすれ違う人がいて、言葉に傷つく人もいて、万能じゃないことはとうに知れている。

言葉は道具のようなもので、道具を信じるって言い方をしても、それは目くらまし的だ。だって道具を使うのは、私でありあなただ。信じてたのに、なんて道具を相手に繰り広げる人もいないだろう。道具を作った誰かや、扱う自分を信じるしかないだけな気がする。

だいたいにして力というのも多面的で、包丁を人に向ければ危なく、料理をするには便利で、別に刃として使わなくたっていいんだけど、道具は力でもあり時にには武器にもなりうる。

だから、言葉は武器と言ってのける人のほうがいっそ真摯だと思う。その力とやらに自覚的なぶんだけ。包丁の扱いが雑なひとは、怖いもの。



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