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あれは過去の私~赤ちゃんの悲しい死に思う~

また悲しい事件が起きてしまいましたね。

生後15日の赤ちゃん…どうか安らかに
次に生まれてくるときには幸せな人生を歩めますように…

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あれは私だったかもしれない

赤ちゃんを一度でも育てたことがあれば分かりますが、
しばらくは人間的な生活はできません。

「赤ちゃんて、泣いておっぱい飲んで寝るだけでしょ^^」
「夜は3時間おきにお世話すればいいんでしょ^^」

うん、合っているようで間違っている…
5分おきにお世話が発生するとしたら?
座ったら「ぎゃーん」
トイレ行ったら「ぎゃーん」
ご飯食べようとしたら「ぎゃーん」

しかも母親のホルモンがそうさせるのか、
泣き声を聞くと心がザワザワする…お世話が完了するまでずっと…
「泣かせておけば?」なんてアドバイスは耳に届かない。

シャワーをしてても、トイレにいても、泣き声の幻聴が聞こえる
3時間おきのお世話は、3時間寝れるということではない。

夜間のお世話についてはこちらに書きました。

人によるのかもしれないけど、私は辛さしかありませんでした。
もう二度としたくないです。

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もちろん母親の罪は重い、批判の声もわかる

「育てられないなら産むなよ」
「母親なのに子どもを殺すなんてけしからん」
「こいつは異常者だ!鬼畜だ!」
「母親になる覚悟はなかったの?」

子どもを殺してしまったことは、絶対に許されない。
もう元には戻らない命、殺人は殺人です。

しかし私はこのお母さんを責められない。
この人は鬼畜なんかじゃない、過去の私だから。

あまりに泣き続ける我が子を抱いて、
食事も睡眠もままならず、夫は役に立たない。
このままでは通報されるんじゃないかと怯え、
いっそ逮捕されればゆっくり眠れるんじゃないかと考えた。

なんで泣いてるんだろう。
もうやめてくれ…
やめて…

「うるさい!!!!!!!」

心の中で叫んだのか、実際に声に出したのか、
今となっては思い出せません。

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父親に罪はないのだろうか

もちろん、ない。
法律的に悪いことは何もしていない。
一生懸命仕事をして、家族を支えていたのだろう。

しかし父親はこの悲劇の一切の責任がない、
と、言い切れるのだろうか?
「育児に悩んでいるようだった」
気付いていたなら、何かサポートはできなかったのか。

「こりゃ大変だ」
共に育児をし、ほんの少しの共感があれば
ここまで思い悩むことはなかったかもしれない。

この家族の真実は分からないけど、
近所の人の「いい人だと思った」という証言は本物なのだろう。
子どもを殺めるその瞬間まで「いい人」だったのだろう。

「いい人」が一生懸命子育てしようと努力した結果がこれ。
こんな悲しいことがあるのか。

そして「もしかしたらあれは私だったかもしれない」とハッとする
予備軍の女性たちがたくさんいることを、多くの人は知らない。

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些細なすれ違いが悲劇を生む~我が家の例~

ここで我が家の例を出してみる。
私は出産後も飲み会に行くことを禁じていないし、
歓迎会?忘年会?どうぞどうぞ参加してください、というスタンス。

その代わり、帰宅時間を連絡し、当日中に帰ること
お願いしたのはそれだけ。

子どもがいない頃は、午前様なんて当たり前だったし、
事務所で仮眠してそのまま仕事、ということも多々あったけど、
さすがに独身気分が抜けないのは困ると思い、決まり事をつくった。

しかし、
酔っ払いに決まり事など通じない、という事実を、
その後、嫌というほど思い知らされることになる。

連絡がない、0時過ぎる、へらへらしている。
何度か同じことを繰り返した後、事件が起きた。

何の連絡もないまま、朝を迎えたのだ。
ん?帰った形跡がない、連絡もない。仕事はどうした?
もしかしたら警察の厄介になっているとか…
最悪、事故に巻き込まれたとか…

色々な想像を張り巡らせた後、念のため夫の会社に電話をかけた。
「大変お恥ずかしい話、昨夜から夫と連絡がつかないのですが、本日は現場の方に出ていますでしょうか?」

こんなに恥ずかしい電話は人生で初めてだ。
結局のところ、飲んでいるうちに時間を忘れ、スマホの電池がなくなり、終電を逃したので事務所に泊まりそのまま現場に出た、ということらしい。

どう思いますか?これは普通ですか?

これを母親がやったらどうですか?
「母親失格!」
「赤ちゃんがいるのに飲み歩くなんて!」
「育児放棄だ!」
と思いませんか?

その日から、夫には何も期待しなくなりました。
楽になった、とも言えます。

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産後の父親の関りが、その後の運命を決める。

産む、育む、ということが出来ない男性が唯一できること。
育児に関わる
それだけでいい

今回の悲しい事件の背景は分かりませんが、
「夫に期待しない」というママ友はたくさんいて、
その旦那さんの多くが自分の状況に気付いていません。

そのうち家庭内での自分の扱いがぞんざいになり、
自分の知らないところで家族イベントが進んでいたりする。
子どもの世話はするのに、自分の世話はしてくれない。
そして「出産する前は優しかったのに」とか「鬼嫁」と愚痴る。

ひとこと言わせて
お前のお母さんじゃねえから!!

幸い、私は妊娠中からフォロワーを増やしたインスタの育児アカウントがあったので、その都度愚痴を吐き出したりして、産後1~2年を乗り越えられました。

今回の事件を起こしたお母さんも、
愚痴を聞いてくれる相手や場所があれば、
違う結果が待っていたかもしれないなぁ…

亡くなった赤ちゃんのことも、
手を下してしまったお母さんのことも、
考えるだけで悲しくなる事件でした。

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