【LDLパートナーインタビュー】金融機関連携ファンド設立 渡邉高章 さん

随分と間が空きましたが、LDLパートナーインタビューアップです!!

LDLとは?

LDL(Locally Driven Labs)とは、継続的なオンラインコミュニティを作り、アウトプットまで持っていくことを目的にして、始まったラボです。パートナーがプロジェクトを立ち上げ、リサーチアソシエイトが関わりながら活動が進められています。

このインタビューでは、パートナーがどんな方なのかを紐解くインタビューです。興味のある方はぜひお読みください!

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プロジェクト名:金融機関連携ファンド設立 渡邊パートナーにインタビューしました!!

Q.あなたのプロフィールを教えてください!

もともと大学·大学院で都市計画やアーバンデザインの研究をしていました。その流れで一社目では、設計事務所の都市計画部門でまちづくりの図面とか、地区計画の文言とかを作成していました。一生の仕事として「都市をつくる」という仕事をずっとしたいと考えていたんです。

その意味では、転職前のコンサルタントの仕事はジレンマもありました。それはそれで楽しかったのですが。コンサルタントって経験した人ならわかるんですが、事業をドライブしている人間のサポーターでしかない。自分が主体で動かしているわけではないし、建物を建てるでもない。あくまでも助言にとどまってしまうんです。ほとんどの場合、調査するだけでとどまってしまい積極的に仕掛けることはできず、結局年に一冊報告書をつくるだけ。それだと絵に描いた餅の先がなかったんです。絵に描いたものが絵になるときもあるんですが、そうならないことも多々あるんです。そしてあるとき、絵に描いた餅になってしまうこととそうでない場合の差って何だろうと突き詰めて考えてみたら、事業を進める上での肝って絵のうまさじゃないんだって気づいたんです。

有名な建築家のような人間になってしまえば違うのかもしれませんが、やはり大部分の場合は絵を描いてるだけじゃだめで、収益性がきちんと成り立っていないといけない。3~50年まちとして成立するよねというプランニングが、お金の部分で成り立ってはじめて「お金をだそうか」と動き出して事業が実施できます。単純に美しいってだけじゃだめなので、イラストレーターの世界だけではだめで、エクセルの世界が必要だと言うことを29歳のときに痛感して、お金の世界·ファンドマネージャーの世界に飛び込みました。

当時は未経験者でも入れるファンドがあって、結局10年ぐらいいました。今思えば途中何もはさまずにファンドと言う世界によく飛び込んだな、とは自分でも思います。笑 最初の一年は本当にしんどかったですが、10年はいました。
仕事は面白かったですしそれはそれで性に合っていたのですが、39歳になって自分はファンドマネージャーになりたかったわけじゃないことに立ち戻りました。どこかのタイミングでまちづくりに帰るためにファンドマネージャーになっていたはずなのに、このままだと中途半端なファンドマネージャーで人生終わるなという気がしたんです。それが人生のゴールじゃないなと思って独立して今、という状況です。
地方には絵に描いた餅ではおさまりそうにないのに、でもお金がつかないことで実現できないという案件があると思います。逆に都市部では、くすぶっているお金は腐るほどあるわけですよ。地方に有望なプロジェクトさえあれば出資したいんだけど、目利きができないので、大手町のデスクトップでまわってるみたいなことが起こっている。それなのに、地方は融資でお金を引っ張ってくるしかないんだけど、借金って怖いっすよねみたいな現状がある。だから、”マッチングさえできればビジネスが進むな”というのが潜在的にはあって会社を立ち上げました。


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Q.どうしてラボに入ったんですか?


今、2年やってみた結論として、自分の専門性がファイナンスよりなので、そのアドバイスの仕事は着実にあったのですが、まちよりの仕事はこないなという感じでした。個人的には、自分のキャリアはまっさらにしてもう一回まちの仕事をうけにいきたいと思っているので、ラボに参加しているような事業をもっている人たちとうまく組めればと考えています。そのための仲間探しにきたという気持ちでラボに参加しています。有難いことに自分のキャリアを面白がってくれて相談をしてくれる形になっていますけれども、つきつめていうと自分はまちづくりの世界に帰りたかったので、そのまちづくりに帰ってこられる仲間が欲しかったんですよね。

Q.このチャンネルを立ち上げた理由を教えてください!

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地域で何かをやりたい人間はたくさんいます。でも何で挫折するかというとお金の問題に収斂するんです。じゃあお金の集め方ってなんなんですかー?と思って銀行の扉を叩いても、だいたいの地銀は事業計画だけではお金をくれません。担保はありますか、保証人は用意できますか、という話で終わってしまう。事業計画の作り方までは教えてくれないんです。任意のフォーマットで提出してください、と言われても、それって何、、?ということも多いでしょう。細かく丁寧に指導してくれるところまではサポートしていないんですよね。百歩譲って商工会でやっていることもありますが、それでもプロセスをちゃんと教えてもらえることは少ないと思います。社判をつくりましょうとか、そういう基本的なところから指導してくれることってないんです。その結果、想いがなかなか形としてできてこない。ちょっとお金の部分で背中を押してくれてアドバイスできる人がいない。もっとみんなで共通の知識が共有できるようになればなと思っています。その中で、失敗や挫折のようなマイナスの部分も含めて共有ができると、実はそれってみんなのための大きな武器になるんじゃないか。そう思って試しにチャンネルで話題をふってみたら、事業承継や保証人の議論が起こりました。テーマ設定して解決策等を整理していくだけでも、地域でしかけるガイドブックになっていくのかなと感じました。これでマネタイズしてやるぜって思いはないので、自由に気楽に話題展開できたらなと思います。でもいずれそのポイントはあるだろうし、負担なく形にできていければなと思っています

Q.今の悩みはなんですか?

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忌憚のない意見をもらいたいですね。金融のような業界は、使ってる言葉が難しいとか言ってることがわからないってよくあると思うんです。でも、日本人って「今言ってること全然わかんないです」って言ってくれる人ってあんまりいなくて、わかんないけどなんとなくわかったふりをしてしまう。「みんなたぶんわかってるから、わかってるふりをしないと、、」と、私だけ言い出すのがものすごく恥ずかしいみたいなことがものすごくあると思っています。でも大概の「私分からないわ」っていうことって10人の内7人はわかってない。しかも、それはわかってない人が悪いんじゃなくて、”説明している人が悪い”ということがまああるので、その辺は逆に言うと遠慮なく言って欲しいなって思っています。たぶん、「保証人ってそもそもなんなの」みたいなそもそも論ってあると思うんです。私がここにハンコを押すことによって何が起きるの?とか、その辺りから実はみんなわかりたいと思ってることってあるだろうなと思っています。私も最初に起業したときに経験したことで言うなら、「渡辺さん、保証協会付きのローンならご紹介できます」と言われて、てっきり家を借りるときの保証会社みたいなものかなと思ったら、全然違った。家賃一ヶ月分だけ払うとその人があなたの連帯人になってくれますみたいなパターン、つまり連帯保証人になってくれる親とか親族がいないみたいな人でもこの人が代わりに保証してくれるので大丈夫ですみたいなそんなもんかなと思ったら、なぜか保証契約の時には僕の名前が入ってるんですよね。あれちょっと待てと。笑 保証会社に20何万円とるっていってるのに、保証会社の人に家にまで来てもらってその人にOKですよって言われてるのに、このハンコはなんなんだと。なので、銀行からすると保証協会の保証には入りつつも、結局連帯保証でおれが入ってるということで進めてたってことなんです。こういう話はけっこうあったりするのですが、銀行員に対してそこを聞くって実際難しいんですよ。なぜなら、わかっていない代表者だって思われたくない、嫌だっていうのがあるからです。なんかみんな社長社長ってまつりあげるので、知らないのに知ってるふりをしちゃうっていう悪いカルチャーがある。そこはこういう場なのでむしろ全然さらけ出していきましょうやって思っています。

特にそれが一番厄介になるのは事業承継だと思っていて、「お父さんお母さんのことは当然に知っていますよね」っていう前提条件で税理士さんとか銀行員もくる。息子さん継がれるんですよね?それはつまり継がれる前の会社の状況わかってますよね!と。でもいやいやいやお父さんからなんの引き継ぎも受けていませんよというのが実際だったりする。


そうなってくると、本当に学ぶ場がなくなってくるし、BS/PL渡されて「ハイこれうちの会社の状況だから来期からよろしくね」みたいになっても、その数字の根拠を勘定元帳見せてもらって説明うけてるわけでもないから、売り上げや費用のここだけポーンと跳ねていてもこれなんなの、っていうのがよくわかんないまま話が進んでしまう。よくわかんないけど、なんちゃら協会に毎年のように多額のお金を払ってるとか、その辺の解きほぐしって実は顧問税理士の方が知ってるけども、「それはぼっちゃん、過去からやってますから」っていう話になって、あぁ過去からやってるならしょうがないですよねみたいな感じで進めちゃう。だけど、いやいやおれ社長だよね。。?みたいな。その辺りの話ってよくあるんです。これは地方に限らないですけどね。


Q.ラボに入っていない人に一言お願いします!

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お金の話をしようとすると、お金の話それ自体が、「大々的に話すことではない」「別に人に話すものでもないよね」っていう心理的バイアスがどうしてもあるのかなっていうのを自分としては感じているところがあります。それはいくつか理由があって、やっぱり自分の会社がお金の面でうまくいっていないとものすごい恥ずかしくて、おおよそそれっていうのは人に言う話じゃないと思い込んでいますよね。

儲かっている会社の話はいくらでもしても良いけれども、「儲かっていない」「実はこういうところでうまくいっていない」「こういうところでまわっていない」という話は極力隠すべきだみたいな雰囲気がある。だから逆に言うと、こういう風に話す場をつくって「どうぞ!」と言っても、「人に話す内容じゃないよね」「10人20人が集まってお話できるような内容じゃないんです」って、うちはそんな会社じゃないんですって思っちゃうようなパターンが多いと思うんですね。ただ一方で、うまくいってる会社なんていうのはせいぜい1割ぐらいの話で、世の中の中小企業なんてだいたい黒赤トントンでまわっていて、事業承継なんて大きな問題としてなっていて、廃業率も高くて10年以上続いていく会社は半分以下なんていうそういう状況なんです。特に飲食業なんて廃業率が3割を超えているような状況がある中で、カフェをやろうなんていうことは、それ自体がけっこうリスキーなのが現実で、ってなると聞けるものは聞いた方が良いわけなんです。私わかりません!っていうことはわかりませんという風に白状した方が良いし、最初の段階で包み隠さず言って頼れるものは頼る。向こうが知ってることがあれば仰ぐ。で、こういうラボみたいなところの良いところは、別に僕自体ここでどうこうってつもりはないし、ここで担ぎ上げてお金をふんだくろうなんて話もさらさらないので、そこをなんかどんどんさらけ出しちゃっても良い数少ない場じゃないですかねという風には思うんですよね。残念なことに(僕がいる不動産の世界なんて典型的なんですけど)、世の中悪い人が多すぎる。ホント多いんですよ、不動産業界なんて黒ばっかりです。笑 ほんと世の中悪いことばっかりしてフィーを巻くり上げようって人ばっかりなんです。だからこういう話を絶対外でしない方が良いですよって強く力説したい。自分の家を売りたいと思ってるんですって最初に電話するのはやめろって言ってます。お金のアドバイスしてくれるんです、保険の代理人なんですって人とか不動産の仲介なんですって人は、三大悪なんです。残念ながら。小綺麗なホームページであなたの味方です!っていうやつはだいたい良いやつじゃなかったり。笑
この人は僕を裏切らないなっていう風に確実に思える人からの知り合いであればいいんですけど、よくわかんないなんちゃら交流会であった人から紹介されましたパターンは危ない。おしなべて名刺の字面が良かったりとか、会社の運営が良いからとかっていうそこだけで判断してはいけない。

なので、こういうラボみたいな場の場合は、「実際渡辺さんってどうなんですか」「ちょっと胡散臭いですよね」って思われるのはしょうがないかなと思っているんですね。人に信用を得るのってすごい難しいんですけど、不信感をもたれるのは一瞬なので。そこはあるんですけど、逆に言うと僕もそこは別にって感じですし、ただまあ手弁当でっていうのは僕はないので、お金が発生するような相談になったらその時は相談するかなってぐらい。タダでやりますって人ほど胡散臭いですよって言っておきたいっていうのもあるので。
できれば一般的なことをまとめるぐらいはしたいですね。はっきりいうと、それにそんなにスキルやノウハウが必要だとは思ってないんですよね。ある程度皆さんから集まってくればそれをフリーソフトよろしくダウンロードして使っていけば良い話だと思うんです。逆にいうとそれが無さすぎるが故に、一部の人がそれで食おうとしてるっていう利権構造が見え隠れしてるので、それがあんまりよろしくないよなあって感じています。知ってる人しか使えない諸制度が多すぎる。それでまた、補助金アドバイザー的な人もいらっしゃる。否定はしないですよ、仕事としては。でも肯定する気もないですね。あれは手段でしかないので、それをビジネスのネタにするのはどうかなって。
本質的には大部分の人は補助金なんか使わなくてもビジネスを立ち上げて、ちゃんとそれがまわっていくような形に仕組んでいくわけじゃないですか。変な話、世の中の魚屋さんだって八百屋さんだって補助金が1000万あるから起業しているわけじゃなくて、八百屋さん魚屋さんをやりたいからやっている。で、その結果お金がまわっている。ということなので、だから逆にいうと、みんなが身近にできていることが補助金の魔力でできなくなっていて、事業計画もろくすっぽ作れていないっていう。その結果、まわり始めてこれどうしようかってなるっていうことが一部ではあるっていう現実があるんです。そこのリテラシーってもっとあげていくべきだし、要はそこのダークサイドに落ちることなくきちんとビジネスを立ち上げていくことができれば、もうちょっとましなことが地方で展開できるんじゃないかって思っているんです。そのためにはかっこいいこというと、ファイナンスのリテラシーをあげていく必要がある。本来なら金融教育の世界ですね。もうちょっと先の未来としてはそういうことにも踏み込めていけたら良いなと思っています。


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