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人は人を簡単に傷つけうるのだから
今日、私はカツセマサヒコさんの「ブルーマリッジ」を読んだ。
2020年「明け方の若者たち」の若者たちでデビューしたカツセさんの三作目となる長編小説だ。
──出逢って八年。付き合って六年。同棲を始めて二年。もう僕らのあいだに、新鮮な出来事はほとんど残されていない。
いつものスペインバルで年上の彼女にプロポーズした青年・雨宮守。長年連れ添った妻に離婚したいと告げられた中年・土方剛。世代も価値観も正反対だった二人の人生は、社内のある疑惑をきっかけに、変化し始める。夫婦であること、家族であること、働くこと、生活すること、傷つけること、生きること。 過去からも未来からも逃れることのできない世の中で、それでも光を求めて彷徨う者たちの物語。
土方は、亭主関白という言葉が当てはまる人物で、「俺の時代は〜」と、部下に説教する上司であり、家では「女(妻)はこうあるべき」という価値観がガチガチに凝り固まっている。
私は25歳なので、こういう人物を見ていると不快感を感じざるを得ない人物なのであるが、全然世の中にいるよなぁと感じる。
20年前の正解が今の時代は不正解ということは多くて、価値観のアップデートは現代人の必須スキルであるように思う。
アップデートできていないことが原因で、やらかしてしまうことは、よくテレビで見かける。
雨宮も、モラハラ気質があり、相手の気持ちを慮れないやつだった。
彼女が生理の時に「前からわかってたんだから、ピルでも飲んで遅らせたり、早めたりすれば良かったじゃん。大事な旅行の時くらい、楽しめるようにしてよ、彼女なんだから」のような発言をよくしていた。
雨宮の両親も、雨宮の結婚相手の翠さんの両親もそういった男性中心社会の考えをアップデート出来ていなかった。
ただ、雨宮は、相手を傷つけているとは微塵も思ってなくて、無自覚だったのだが、婚約相手の翠さんに指摘されて、今までの過去を省みる。
そして、自分の過去の行動と向き合いながら変わっていこうと決意をする。
カツセさんは、この本を通して、
古い価値観に縛られて、
男性中心社会に生きていることに気付かず、
その日常を当たり前のように享受している
現代人への問題提起のように感じる。
もっと広義で捉えるならば、相手の気持ちを考える想像力を持たない人への警鐘のようにも思える。
人は人の隣にいるだけなのに
人は人を簡単に傷つける。無自覚に。
どんなに清く正しく生きていたとしても
誰かの人生では悪者になる。きっと。
想像力の欠如により
無自覚に相手を傷つけてしまった時、
それを指摘してくれる友人は貴重だし、
大抵は黙って離れていく。
だからこそ指摘してくれる友人、
先輩後輩年齢関係なく、聞いておいた方が良い。
誰もが離れていってしまって孤独死しないために。
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