写真_2019-05-22_15_54_41

君は春に鳴くセミを知ってるか

ようやく遅霜の心配がなくなった。この辺り5月上旬までは油断できない。

最低気温1℃とかだと地表部は氷点下。気温は地表から約1.5メートルのところで観測されてるから、実際の地面付近の温度はもっと低い。

わかってるのに今年もナスやピーマンとか低温に弱い一部の野菜の苗を霜で枯れさせてしまい(耐えてくれたり、脇芽から復活してくれたのもあるけど)大反省大会を盛大に開催したものだ。

とかなんとかやってたら、この頃はセミが「ジージー」合唱して鳴いてて、その合間に相変わらずウグイスが「ホーホケキョ」と歌う。

え、まだ夏じゃないのにもうセミ鳴いてるの? そう思う人もいるかもしれない。

でも、うちの村の近くは時空が歪んでいることでも有名なのでセミが盛大に「ズージー、ギーギー(そんなふうに聴こえる)」鳴くのとウグイスの鳴き声がフィーチャリングしてるのだ。

       ***

というのは明らかに嘘。怒られる。時空は歪んでなんかいない。でもセミが鳴いてるのは本当でハルゼミ(春蝉)という種類のセミだ。

そう、夏のセミとは別に春に活動する種類のセミがいるんですね。

ハルゼミは主に松林に生息していて、ある程度まとまった規模の松林でないといないので、松枯れの影響もあって生息数は減ってるらしい。まあ、貴重と言えば貴重なセミだ。

比較的小さなセミ(3センチぐらい?)で、しかも松の木の高いところにいるのでほぼその姿を見つけることもない。ただ鳴き声だけが響き渡る。

僕もこっち(信州)に移り住むまでセミの鳴き声=夏! と信じて疑わなかった。最初、はじめてハルゼミの鳴き声を聴いたときはそんなセミがいるなんて思わないので夏早っ!と驚いてたぐらいだ。

今ではハルゼミのぬるっとした合唱が始まると、なんとなく身体が緩む。暑いわけでも寒いわけでもない、どっちつかずな季節に鳴くオルタナティブなハルゼミ。セミらしさは薄いけど、個人的には嫌いじゃない。