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偏愛の名古屋駅

名古屋駅が好きだ。行くたびに好き度が高まる。

といってもセントラルタワーズや、みんなのアイドル「ナナちゃん人形」ではない。ほんとに「駅」そのものが好きなのだ。たぶん、ちょっと伝わらない。

今年は取材や打ち合わせで名古屋に行く機会が多いので、そのたびに駅を愛でている。無駄に電車に乗る何十分前に駅に入ってうろうろしたりする。不審者にならないように気を付けながら。

いったい何がそんなにいいのか。駅なんて、ただ駅でしょ? 何をそんなに語ることあんの? と思うかもしれない。僕も思う。

だけど、名古屋駅はちょっと違うのだ。あ、いまさらだけど、この文脈で語ってる名古屋駅はJRのほうです。

名鉄の名古屋駅もカオスな発着っぷりは好き(初見の人はたぶんリアルに混乱すると思う)で近鉄名古屋駅も昔から愛着あるし、東山線の名古屋駅も同じホームなのに毎回「電車があんな先に止まってる!乗れない!」ってなる上下線のズレが不思議だし、それぞれ味わい深い。

でもJR名古屋駅は同じ「名駅(地元の人はどの駅もめーえきと呼ぶ率高い)」の中でもキングなのだ。

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僕が勝手にあげるJR名古屋駅の愛でポイント


1.大都会のターミナル駅なのに空気が緩い。決して揶揄してるわけではなく。なんていうか落ち着く。人間のペースと駅がシンクロしてるのが心地よい。

普段、東京駅とか凄まじい次元で人と電車が流れ込むスピードに呑まれてるから余計にそう感じるのかもしれない。

ホームから改札、コンコースに出るまでの通路も「昭和感」があってたまらない。配管がそのまま天井を伝ってるのもいい。階段周りのタイルも日常の美を感じる。ここに立ち飲みとかバルでもあったら通路をつまみに楽しめるのに。


2.きしめんスタンドがありすぎる。ほぼすべてのホームに「きしめん」が配置されてるのすごい。関西風でも関東風でもない、きしめん独特の甘辛い香りが誘惑する。あれ、なんだろうね。

東京駅なんて、駅そばがたくさんあっても不思議じゃないのに、実際には新幹線の18・19番ホームに1つしかない。ホームで何か食してる場合じゃない。みんな急いでるんだ。


3.煙の臭いがする。はい、もう意味わからない。何? 煙の臭いって。苦情? いや、ちがう。鉄分が好きな人にしか通じないかもしれないんだけど、JR名古屋駅って「気動車」の列車も多いんだ。

気動車は電気で走る電車と違って、主に軽油を燃料にしてディーゼルエンジンで走る。なので、どうしても発車時なんかとくに煙や臭いがする。まあ、そういうのは気になる人もいると思うけど、個人的にはバイブスが高くて好き。

いや、駅といえば最近は「駅ナカ」とかそっちのほうで楽しむイメージだけど、それだけじゃない位相もあるんだっていう話。コンテンツにもなりにくい、駅そのものの情緒とか駅の人生というか。

そういうのも、そっと言語化できたらいいなとひっそり思ってる。という、ほとんど共感要素ゼロに近い偏愛だけどよろしければご査収下さい。