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人も植物も芽が出る条件は似ている

「がんばってるんだけど、なかなか芽が出ないね」とか「あの人、すぐ若い芽を摘むからなぁ」みたいな話を聞くことがある。

芽が出る=才能が開花するとか、ようやく日の目を見る、ブレイクしそうという意味なんだろうな。

ずっとその人の中に備わっていた何かが、ようやく生かされる。まさに「芽が出る」という表現が合ってる。

のだけど「芽が出る」の文脈では、どうしても「その人」そのものに焦点が当たっていて、案外、その人の芽が出た環境とか条件があまり語られないのだ。

もちろん、その人が何かの芽を内包してるのは要素としてマストだけど、要素を持ってるのに、ちゃんと芽が出る人と出ない人がいるのはなぜなんだろうか。

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野菜を育てていても同じことを考えてしまう。種を蒔いて野菜を育てるときも、ちゃんと芽が出るかどうか毎回気がかり。

どんなに人間がその野菜を育てたくても、野菜そのものが発芽しなければ絶対に育てることはできない。当たり前なんだけど、この事実におののく。人間って偉そうにしてるけど、野菜を(に限らず微生物レベルでもそうだけど)ゼロからつくることはできないのだ。

野菜が発芽するかどうか。基本的には「水分」「温度」「酸素」の3つの要素が整うかどうかに左右される。

胚と呼ばれる状態の種子(ざっくり言うと芽や葉になる元の部分が含まれた種子)は、乾燥状態では休眠していて、水分を与えられると活動スイッチが入る。

で、野菜によって異なるけど、だいたい15℃~25℃ぐらいの温度になり、発芽のために呼吸が活発になるので、その分の酸素が供給される環境が整うと「芽が出る」というメカニズム。

細かい話になるとニンジンとかレタスみたいに発芽に光が必要な「光発芽種子(好光性種子)」だと、覆土(土を被せる)が薄いほうがいいとかあるけど、まあだいたい「水分」「温度」「酸素」の3つの条件はどの野菜の発芽にも欠かせない。

思うのは、人間も実は同じなんじゃないかということ。どれだけその人個人の中に「芽が出る要素」を持ってても、条件が整わないと芽が出にくい。逆に言えば「芽が出る」ようにするには、本人や周囲が環境をつくるのも大事。

人間の才能の芽が出る場合で言えば、3条件ってどんなのだろう。

「水分」=スイッチが入るような刺激
「温度」=文字通り熱量
「酸素」=息切れせずに取り組める環境

適当だけどそんなに違ってない気もする。

刺激、熱、続けられる環境。それを自分でつくる、周囲がつくる、あるいはそういう環境に飛び込む。方法はいろいろあるけど、何かやりたいことがあるとき「芽が出る3条件」を少し意識してみるといいのかも。