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霊泉とか鉱泉とかのある人生

今日も人通り少ないので、個人的な話。 bar bossaの林さんが日記で、一部の男性から見たとある特徴的な女性を「温泉系」と呼んでいる話を書かれていて世界は広いなと思った。

どういう女性のことなのかは、そこだけ切り取るように書くと「え?」ってなるので気になる人は林さんの日記を読んでください。

で、脊髄反射で思ったのは「あ、自分って温泉より霊泉とか鉱泉に惹かれる」ってこと。温泉とは違って、霊泉のちゃんとした定義なんてない。

いわゆる「霊験あらたか」とか「不思議な効能」とか言われるようなのが霊泉で、鉱泉はいろいろ成分は含まれてるんだけど温泉法に定められた「源泉採取時25℃以上」よりも低い温度で湧出してるものだ。

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まあでも、そんな定義はどうでもよくて、温泉よりもオルタナティブな霊泉とか鉱泉の持つ「どこでもなさ」が好きなのだ。

べつにだからって霊泉の方が温泉より意識高いとか効き目がとかそういのじゃない。なんだろう。いかにもな営業感を感じない佇まいがじわじわくる。

個人的には、温泉は本来ひっそりと傷を癒しに行く場所だと思っている。太古の昔から動物がそうしていたように。身体の傷も内臓的な疲れも気持ち的なものもなんでも。

なのに営業感満載な温泉は、ときには傷口にキツイ。だからだと思うけど健康ランド的なテーマパーク的な温泉施設にもあまり興味が向かないんだろうな。

そういう意味では湯治っていうことばも好きかもしれない。今では日常的にあまり使われないけれど。

こんなこと書いてると自分がすごいおじいちゃんおばあちゃんみたいだけど、温泉より霊泉とか鉱泉派なんだから仕方ない。

あと、そっち系の宿に泊まるといろいろおもしろ体験ができるから。秩父のある鉱泉宿に泊まったときは宿のご主人が宇宙だったし。

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どうやら由緒ある宿の何代目からしいけど、ハリウッドの大御所俳優とやりとりしてた手紙を出してきて見せてくれたり(見たいとは言ってない)、定宿にしてた将棋のなんとか名人のとても書けない話を教えてくれたり(いきなり話はじめた)、チェックアウトするのに1時間近くも自分の希少な車(デロリアンみたいなやつ)を個人輸入するのが大変だったかを語ってくれた。

ひと言で言ったら「変な宿」で、だけどご飯は超絶においしくて食べきれないほどで、最後まで他に宿泊客がいたのかどうか不明だったからまた泊まりたい。

宿を出発する最後の最後には、ある鍾乳洞の名前を出して「道を出たら最初の交差点を右に行けば着くから」と、今日の最初の行動まで指示されたのでおとなしく従って行ってみたら時空が歪んでておもしろかった。

変な霊泉とか鉱泉宿に泊まると予定通りになんてならないし、日常感はぶっ飛ばされるし、そういうのって人生だなと思う。逆に言えば、そのなんともならなさに安心するから僕は有名温泉より、霊泉とか鉱泉が好きなのかもしれない。