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奥渋谷の夜

noteで仲間と『東京嫌い』という同人誌をつくっている。あれやこれやの仕事と並行して。

べつに同人誌づくりは世の中で珍しくないし、noteのマガジンでもいろんな同人誌が既にある。

僕たちがつくろうとしているもの、ああ、よくあるやつだよね。そんな反応をもらうかもしれない。

のだけど、今回、僕たちはちょっとそこを「超える」ことを考えてるのだ。

超えるってなにを? なんだろう。ほら、いまっていろんなものの境界線が溶けて混じり合うというか越境してる。ビジネス界隈ではいまさらだけど。

そういうのをつくってみたいなって。

また意味のわからないこと山の如しなこと言ってますが、いわゆる一般流通する読みものメディアとか狭い範囲の同人誌を超えてみたい。規模とか売り上げがとかでもなくて。

端的に言えば何かのメディアでもなく、同人誌でもなく『東京嫌い』として存在させてみたいんだ。各方面から笑われそうだけど。カテゴリで語れないような。

編集でも磨いてるけど同人誌だし、同人誌だけどふつうに市販クオリティだし、スター・システムでつくってないけど、それも超えてるしみたいなの。

という話を先日、奥渋谷で行った編集会議でも話してました。

ミーティングしながら、少し呑みながら思ったのは

真剣にやれよ! 仕事じゃねぇんだぞ!

というタモリさんの名言(とされてるけど出典はわからない)。遊びといえば遊びだけど、遊びではやってない。だからって「仕事」の文脈でもない。どっちも超えたところでやるもの。

単純に、そういうのがおもしろそうだし、なにかつくってる僕たちも参加してもらってる人たちにも新しい景色が見えるんじゃないかなと思うから。そこに『東京嫌い』でみんなと行けたら――。

そうそう。今回、林さんに奥渋谷潜行ツアーしてもらったのだけど、遊びも仕事も境界線を溶かして、既存のこうじゃなければも超えるスタイルを象徴してる店も結構あった。

その中でもすごく残像度が高かった2つのお店。

◎NEWPORT (ニューポート)代々木公園 / 代々木八幡


ナチュラルワインとベジ(ヴィーガン)のDJブースのあるレストラン。

と書くと「いかにもそれ」な感じになるけど、全然そこを超えてきてるお店。いや、ワインは完全素人なので「おいしい」しか語れないけど、野菜がすごい。野菜は僕も自然農法で畑やってるので少しはわかる。

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ちゃんとした感覚がセットされてて、土とつながってる生産者さんとつながってなければ、あの味の野菜は出せない。味の音色が深い。ずっと食べながら味に耳を傾けていられる。ラタトゥイユ、フムス最高。ワインに合う野菜料理と鶴谷さんが話してくださったのが納得できる。

◎The Bellwood(ザ・ベルウッド) / 宇田川町


大正モダーンな特殊喫茶(カフェー)を2020年代に持って来たカクテルバー。

これも、短い言葉で切り取ってしまうと「ああ、そういう感じの」になってしまうけど、そこを超えてきてる。バーテンダーという存在、スタイルが日本に入り始めた当時の「なにかありそう」が本当にあるバーなのだ。

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白衣のバーテンダーによって店内にある本物のLaboで開発されるミクソロジーカクテル。ぬか漬けやベーコン、胡麻なんかが本気で凄いカクテルに魔法かけられてしまうのだから。舌でトリップできてしまう、まさに古くて新しい未来を体現したバー。

こっちは、読んで東京のイメージ境界線を溶かせるものができました。


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「あの人の新作や意外なあの人の新境地も……」


◎責任編集

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