お茶と徒然 その1
なんだろう。
なんでだろう。
やるきがとんっとでてこない。
今日は4時に起きて、ストレッチや家事をこなして
いい1日が始まる予感がしていたのに。
どうしてだろう
なんでだろう。
このもやもやはなんなんだ。
悲しさ、辛さ、苦しさ。上手く言えないモヤモヤが僕のなかの心のしンをつつく。
それはまるで、「おまえになにができる?このできそこないが」なんて言われているかのようだ。
窓から見える、田んぼ。変わらない変われない自分。
焦っているのだろう。きっと。
何もしないということが怖いのだ。
僕は、いつだって、何者かになりたかったのだから。
ふと、へやのなかをぼうっと眺めていて気づく。
「あ、水筒」
僕は朝に氷水出しで出した煎茶を小さな水筒に入れていたのだ。
今日のお茶は先日買った、鹿児島の新茶だ。
初めてこの新茶を飲んだ時の香り、味わい、色味。
新茶の力強さを感じたことを覚えている。あの時は、ぬるめのお湯で入れたから温かく美味しかった。
今回は、氷水出し。
どうなのだろう。
さっきまで喉なんてかわいてなかった。不思議だ。
喉はかわいていないのに。僕は自然と煎茶の入った、その水筒を手にとる。
なんだろう。あれだけ「だるい」とおもっていた体が少しだけ軽く感じるのだ。そして、少しだけわくわくしている。
僕はこのお茶を欲している。
そしてお茶の色を見たくなった僕は、その水筒に入ったお茶をわざわざグラスに注ぐ。
あぁ、綺麗だ。
そして香る力強さ。
お茶の色はもちろん緑だ。でも、お湯で入れていくお茶と違ってどこか透明感がある。
冷たくじっくりと茶葉と水が絡んでいくからだろう。じわりじわりと。
僕は、ひとくち、またひとくちと口にお茶を運んでいく。
お茶に思いを馳せながら、僕はどこまでも、広い広い世界へと導いてくれるような心になる。
そして。
僕は、何もしない自分さえ許せる気がするのだ。
なにもしない。なんてこと僕はないのだけど。
進んでいないわけないじゃないか。そんなことを思えるのだ。僕は、お茶を飲んで世界を感じる、尊さを感じる。
お茶を飲んで、僕のなかの自滅の重りが1つ消えていった。
そうか、また僕は自滅しそうになっていたんだね。
僕は僕のまま。何者でもないぼくでいよう。
そんなことを思う昼下がり。
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