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息が吸えない絶望と。

生きていくこと

息をすること

それはとても難しくて、どうしてみんな普通に息ができるのがわからなかった。

周りの目を気にして、なんとか息を吸って、生きていた。

そうしたらある日、息を吸うことを忘れてしまった。

うまくいくと思っていた、息を吸って生きることが再びできなくなってしまう。

とてもとても怖くなっていく

息が吸えないということは、周りと違うということ

それはとてつもない絶望で、見え始めた光が消えた瞬間

息が吸えない、吸えない、吸えない

吸おう、吸おうと思うたび、息が、空気が、氷を一気に飲み込もうとしたかのように詰まっていく。

なんで、なんで、なんで

暗闇の中にすっと落ちてしまったかのようで

僕はがむしゃらに息を吸おうとする

吸いたい、吸いたい、吸いたい

吸ってみんなと同じことがしたい

吸ってみんなと笑いあいたい

吸ってみんなと仲良くしたい

そんな願いが、小さな願いがかなわない

息が吸えないことがばれてしまえば、周りにいてくれた子たちはどれだけ避難の眼を向けるだろうか。

どれだけの差別的な眼を向けてくるだろうか

どうして、どうして、どうして

僕は息が吸えないだ。責めて、せめて、せめた。

自分の体を心を傷つけた。傷つけていく。


僕が「普通」ではないとばれた瞬間の予想以上の形相

こわい、こわい、こわい、たすけて

気付けば、誰一人としていなくなった。

僕の周り


孤立。

手を伸ばせば、優しそうな人が僕の手を掴んでいく

そして、僕が息が吸えないと分かると、形相を変えて僕への暴言で、殴っていく。

消えない傷となって、僕は殻にこもっていく。

ばれたらどうしよう。ばれたらどうしょう

非難された過去なんてどこかにいったかのように、

僕は幸せだった過去を繰り返し思い出しては泣いていく。

涙があふれていく。

あふれては消えていく、涙。

涙のように僕も消えてしまえばよかった。

そんな思いと裏腹に、僕は、いつだって存在してしまう。

醜い僕を君は笑うのかい。

醜いと君は切り捨てるのかい。

手を伸ばせば、利用され、ごみのような扱いを受けていく。

伸ばされた手を拒否してしまえば、「~~してやったのに」と避けられていく。


僕は弱虫だから。


僕は臆病だ。

だから、息を吸えるふりをするようになった。

僕は上手に息を吸えるふり。物まね。

まねっこしていく。自分の心を置き去りにして。

息が吸えるとか吸えないとか、どうでもよくなるほどに。

おぼれていても気付かないように。

僕が周りに溶け込むためにはこれしかないのだ。

道化。まるで、道化のようだ。

泣きながら笑って、笑っては泣くのだ。

仮面を僕は一生手放せない。

仮面がぼくの唯一の武装だから。弱弱しくても、滑稽でも。これでしか戦えないのだ。

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