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45歳のわたしへ

わたしが産まれた家は
いつもケンカが絶えなくて
みんなケンカばかりしていたね

物が飛び
ドアが壊れ
ガラスが割れる

毎日のように響く怒声・罵り声
そして暴力

5歳のわたしは
お気に入りのぬいぐるみをぎゅっと握りしめて
布団に潜り込んで
楽しいことばかり想像していた

わたしがいる場所は
ここでない
わたしがいる場所は
たくさんの花が咲き
鳥が唄い
動物さんたちが踊る森

夜になると
満点の星空が見えて
天の川がきらきらと輝いている

わたしにはたくさんの
動物のお友だちがいて
毎日遊んでいるの

だから大丈夫よ

どうして学校へ行かないといけないの?
どうして人間のお友だちをつくらないといけないの?
お友だちがたくさんいないとだめなの?

どうして人間は嘘をつくの?
どうして人間は仲間外れをするの?
どうして人間は、誰かを独り占めしようとするの?

人間を知れば知るほど
たくさんの?が増えていく

だからわたしは
学校が嫌いだった

決められた時間に学校へ行って
みんなで同じことをして
違うことをすると変だと言われる

みんな同じって方が変だよ
森のみんなはみんな違うよ

たくさんの?を感じていた女の子は
いつのまにか人間の世界に慣れていって
高校生になって初めて
親友と呼べる人に出会った

彼女との日々は
毎日本当に楽しくて
たくさん笑って
たくさんケンカして
たくさんともに泣いた

高校3年生のある日
新聞記者になりたいと思った
新聞記者になって
世界中を飛び回って
この世界の真実を
わたしの言葉で伝えたい
わたしの言葉で世界を変えたい

突然降ってきたこの思いを
わたしはいつのまにか忘れてしまって
人の命を救う仕事に就いた

人の命は
儚くて
いとも簡単に終わってしまう

だけど
人の命は
強い
生きることを決めた命の声は
天をも動かす赤ちゃんの声

たくさんの人の命に触れることで
わたしは生きるとは何かを
命とは何かを学んだ

そして45歳になった今日
わたしをいつも見守ってくれる神さまの前で
誓った

ここまで歩んできた今だから
わかったことがある
できることがある

これまでの経験は
人生の宝物

宝物を抱きしめて
今ともに生きているたくさんのわたしと
わたしは歩いていく

18歳のわたしが描いた夢を
今世をかけて叶えます

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