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白いテントの中で・・・

「抗原検査」を受けた。
 数週間前に数回会った人たちが、コロナウィルスで陽性になったと連絡をくれた。隔離生活を送っていたが特に症状もなく元気で、ようやく陰性になって週明けから通常の生活に戻るという。会った日と、彼らが陽性と判明した日と、そこから2週間以上を経て、私自身は特に症状もないことから、おそらく問題ないだろうとのことだったが、万が一無症状感染でウィルスを拡散していたらと思うと不安で、念のため、テストを受けてみた。

 イタリアでは、町の中であちこちの薬局の前に専用テントが用意されており、そこで誰でも簡単に、”Tampone rapido”と呼ばれる、いわゆる「抗原検査」を受けることができる。実際、近所の薬局でも、それらしきテントの前にいつもよく人が並んでいるので、ははーん、あれかな、と思っていた。
 先週の金曜日、仕事を終えてから寄って見ると、すでにその日の受付は終了していたが、翌日の受付時間を尋ねると、予約しますか?と聞かれたので、ああ、それなら、と空いている時間に予約をした。だが、特に予約せずにその場で申し込んでも受け付けてくれるらしい。
 翌日、指定時間の少し前に薬局へ向かうと、直接テントの方へ、と言われる。私の前に女性が一人。中に呼ばれて入って、出てくるまでに5分もかからなかったと思う。はい、次、と言われて入る。名前を確認して、はい、ではマスクから鼻だけ出して、と言われる。その隙に、その担当の女性は全面のフェイスシールドをかぶっていた。
 彼女が検査用の綿棒のようなものを取り出し、左、右の順に鼻の奥をぐるり。ちょっとツーンとしてそのあとしばらく鼻水が止まらなくなったが、痛いというほどのことでもない。ちなみに、渡航前に都内でPCR検査を受けたが、採取方法は同じようなものだった。「はい、終わり。すぐ結果知らせるから、テント出たとこで待っててください」。

 そして、5分待ったか待たないかぐらいで、テントから顔を出して「問題ない、OKです!」と。
拍子抜けするくらい簡潔、スピーディーだった。支払いのため薬局の外で並びつつ、これってもしかして、このままお支払いせずにテスト逃げできるのでは?(いや、しませんけど)というくらい、アバウトな感じ。順番を待って、中でお支払いをすると、A4用紙一枚の簡単な「陰性証明書」を手渡してくれた。全て含めて、20ユーロ。
 
 PCR検査も100%ではないというし、この抗原検査はさらに精度が下がるとのことだが、ちょっと疑いがある、あるいはどうしても年配の人に会うから念のため、とか、ともかく簡単にお手軽に検査できるのは悪くないと思う。もちろん、ひょっとして感染したかも???なんてビクビクすることがないようになるのが一番だけれども・・・。 
 私もちょっとしたモヤモヤがとりあえずはスッキリ、ほっとできたが、ここで油断は禁物。また一層気をつけなければ。

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#ローマ #ローマ暮らし #エッセイ #ロックダウン #オレンジゾーン #抗原検査
Fumie M. 04.11.2021


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