趣味を封印した~ジャンカー編~

高校時代からの趣味~パソコン~

 みなさんは、どれくらい趣味にお金を使っていますか?
 私は今日、金と時間を食うばかりで大して実にならない趣味を封印しました。
 その趣味は、レトロPCいじり……主に、PC98という30年以上に普及していた国産PCを今更動かして遊ぶというモノです。具体的にどういう目的で、どんな遊びをするのか想像しづらいとは思いますが、例えるなら懐かしのファミコンやメガドライブなどのレトロゲームを引っ張り出して遊ぶ感じの延長です(ファミコンもメガドラも、PC98もまだ私が生まれてない時代の機械ですが)
 決して自慢ではないのですが、私は高校時代から色んな趣味に手を出していて、文章を書くことを筆頭にして、生物採集、機械(ジャンク)いじり、読書、お絵描き、他にも課外活動では環境保全団体やら生徒会に入ってボランティアをしていました。勉強もバイトも大学受験もせず、有り余る時間を怠惰に過ごしていた訳ではなく、何かしら興味のあることを探して行動するようにしていました。「意識高い系じゃん」と思われるかもしれませんが、それらの行動原理は全て「小説を書く為」で、キャリアとか経験とか大層なことは考えていませんでした。
 現在の自分を構成する基礎が高校時代に作られ、”物書き”は親の過干渉から、”生物屋”は生物部から、そして”ジャンカー”はパソコン部での活動からそれぞれ”自分”というアイデンティティを支える柱になっています。
 ジャンカーとは、メルカリやリサイクルショップなどで、壊れたパソコンや古い機械を買ってきて、修理したり、当時の環境を再現して悦に浸ったりする趣味に興じる人種です。
 先述した通り、高校ではパソコン部に所属していたのですが、そこで私のジャンカーの”師匠”とも言える親友が出来ました。
 彼とは入学したクラスも一緒、出席番号も一つ前で、一番最初に出来た友達でした。しかし、典型的なコミュ症陰キャというか、趣味が合う人が誰もいなくて、友達が出来ないタイプでした。
 入学した当初、私は彼に「パソコンが欲しい」という相談をした事から、彼とよくパソコン関係の話をするようになり……というより、一方的に難しくマニアックな知識をぶつけられるようになったので、彼の言葉を理解する為に調べて勉強していたら、いつの間にか沼にハマっていた感じです。
 パソコン部は「パソコンを部活で教えてもらおう」ぐらいの気持ちで入部したのですが、結局officeやらプログラミングやら、そこら辺の実用的な技術は何も教えてもらえませんでした。
 それもその筈で、そのパソコン部は、CAI室という立派な教室を使わせてもらえず、隣にあるきったなくてエアコンがない元数学研究部の部室で、ゲームやアニメが好きなオタクがひたすら駄弁っているだけの空間でした。
 部屋の大きさや形は、涼宮ハルヒの憂鬱のSOS団の部室を想像してもらえると近いと思います。
 顧問も数カ月に一回様子を見に来る程度で、大会に出たり資格を取ったりする訳でもなく、やる気のない部活でした(一度、顧問が来た時に「お前らどうせエロゲしかやってないんだろ?」言われて、私たち部員が「否定できない」と言ってみんなで大爆笑した思い出があります)
 部員は正規メンバー(?)が6名でしたが、卓球部や写真部など他の部活の奴がサボりに居候していたり、部外者もよく遊びに来ていたので、様々な属性の人間が出入りして賑わっていました。
 また、やる気がないとは言っても、部員一人一人に技術がない訳ではなく、ニコニコ動画にMADを投稿している奴や、DTMで曲を作っている奴や、プログラミングをしている先輩もいました。ただ、それを誰かに教えるとかはなく、”ちょっと”わからないことがあったら訊いてね程度で、覚えるのは自分でggrksみたいな感じでした。
 その中で、私の師匠は主にハードウェア関係が強く、パソコンを自分で組んだり、ペンタブやモニターなどのガジェットに異様に詳しい奴でした。
 古い技術にも興味があれば、新しい技術にもすぐ飛びつく人で、Vtuber黎明期という事もあって、「Live2Dやってみようよ」とか「モーションキャプチャーやってみようよ」とか「絵を描いてみようよ」とか、創作意欲を刺激するような遊びも教えてくれました。
 色々教えてくれた遊びの一つが、ジャンクいじりだったのです。
 

ジャンカーの問題点 

 ここで、ジャンクいじり趣味の良い点と悪い点を紹介したいと思います。
 良い点は、中古やジャンクで安くガジェットが手に入れば、お得に環境(出来る事)を構築できることです。
 新品で1万円するキャプチャーボードが、5000円で手に入れば、通常の半額でゲーム実況や配信が出来るようになります。壊れているジャンク品を格安で仕入れて、治して売れば儲かることもあり、そういう稼ぎ方を”せどり”と言ったりします。
 また、ゲーセンに遊びに行ったり、アプリに課金するといった機会消費とは違って、飽きたり不要になったら再び売ってお金に出来るので、損をしにくい利点もあります。モノによっては壊れていても価値がそこまで落ちない機械もあるので、「もし壊れていても、この値段ならまた売れば回収できるから買うか」という判断をすることもあります。 
 ここからは悪い点です。
 一つは、知識が必要で常に調べ続ける必要があるということです。
 その知識を集めるのが醍醐味とも言えるのですが、その作業が面倒くさいと感じる人にはオススメしません。また、PC98など古すぎる製品だと、ネットに情報がないこともザラにあります。修理の知識も必要ですし、壊れている原因を特定する考え方も鍛えなければなりません(トラブルシューティングをする時の思考法はとても役に立つけど)
 次に、あまりにもどうしようもなく壊れているモノや、自分でぶっ壊すと、処分に困るゴミが出てしまう点です。実は、私は最近PC98のブラウン管モニターを買ったのですが、動作が不安定で、売ろうにも重さとデカさで運ぶのが面倒な上に、売っても大した値段にならず、処分にも金がかかるので途方に暮れています。分解して修理することも出来なくはないのですが、ブラウン管の分解は感電する危険があり、処置に困った末に”封印”という問題の後回しにした訳です。

金に余裕がない者は古いモノに手を出すな

 今回、私がPC98を封印(物置の奥にしまう)するのに至ったのは、PC9801DAで作っていたDOS(OS)の環境が不安定になり、ここ二日で10時間近くかけて試行錯誤して結局治らず、疲れてしまったからです。
 パソコン本体は健康なのですが、HDD代わりにしていたMOドライブの接続がしょっちゅう切れたり、新しく買ったHDDをうまく使えかったり、改めてDOSのインストールしようとしてもうまくいかなくて、とうとう心が折れました。
 今、原因を探している途中ですが、それには新しく追加でパーツを買わなければならず、常に金欠ギリギリの貧乏学生にはキツイ出費ですし、なんなら今まで使っていた部品がぶっ壊れていたら、それも損失になります。
 もう全部売ってしまおうかとも思ったのですが、置いておくだけで価値が上がって買い直すのも難しくなる代物で、売っても相場が精々3万程度なら、余裕を持って整備出来る時期が来たら復活させることで落ち着きました。   
 学生の3万は確かに大きいかもしれませんが、ここ数カ月の支出を振り返ると、なんか大したことは出来ずにあぶく銭として消える気がしたので、直近の機会損失と将来の資産価値を天秤にかけた末に、個人的には賢明な判断かなと思っています。
 だいたい、令和の世にPC98関連の知識と技術を身に着けても、何の意味もありません。私はこれから”生物系”の大学生になるので、そんな遊びに興じる時間も金もない筈なのです。また、金がない為に故障を放置せざるを得ない状況にストレスを感じさせられると、なんだか馬鹿馬鹿しくなってきます。
 今回学んだ教訓は”金に余裕がない者は古いモノに手を出すな”です。
 特に、若者である私は、今年中にやらなければならない物事が沢山あるのです。文筆活動では”けじめの小説”と”無敵の人論”を書かなければいけませんし、バイトもしなければならないし、何より本業の環境保全・生物系でやりたい事が待っているのです。
 そのうち、私が取り組んでいる生物系の活動についても紹介したいと思います。
 ここまで読んでくださりありがとうございました。 

 
 
 
 


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