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「トットひとり」(黒柳徹子著)を読んで

図書館で、普段あまり通らないコーナーにふと目を向けたときに、そこに「トットひとり」が、あった。

「窓際のトットちゃん」は子どもの頃に読み、そして子どもが生まれてから、「ちひろ美術館・東京」に原画展を観にいったり。そして美術館で「窓際のトットちゃん」の文庫をみつけて、改めて読み返したり。

「窓際のトットちゃん」に出てくる学校(トモエ学園)と、トモエ学園を創った小林宗作さんは、私の中に憧れの学校、憧れの先生として、今もいきづいているように、思う。

(安曇野ちひろ美術館には「トットちゃんひろば」が5年前から、あるらしい。行ってみたい!)


「トットひとり」は黒柳徹子さんが2015年に出された、回想録。

黒柳徹子さんといえば、ものごころついたときには、「ザ・ベストテン」や「世界ふしぎ発見!」等で活躍されていた。

本書では、向田邦子さん、渥美清さん、沢村貞子さんらとの友情のことや、久米宏さんが「ザ・ベストテン」を辞められたときのことなど、印象的なエピソードがたくさん、描かれている。

そのたくさんのエピソードの中で、強く印象に残ったのが、徹子さんの順調に進んでいた、お見合い話の顛末、のこと。

徹子さんと、徹子さんのお母さまは、持ち込まれた縁談で三人と会われて、三人目の脳外科医の方と、順調にお話が進んでいた。

先方のご自宅へ遊びに行ったり、先方のお母さまから銀座のデパートでいろいろとプレゼントを買ってもらったり、お相手の方と映画をみたり、食事に行ったり。

徹子さんは「結婚する!」と徹子さんのお母さまに伝えて、お祝いにと、オーバーを3枚作ってもらったりも、したそう。結納はしていないけれど、贈り物をたくさん頂いて、それが結納替わりだね、と話していた。

その後で、徹子さんは結婚について悩み始めて、ついには、お母さまに結婚をやめる、と伝える。

母に、「やっぱり、結婚するの、やめる」と言って、思っていることを伝えると、母は、「あなたがそう思うなら、そのほうがいい。やめましょう」と落ち着いた声で言った。(中略)私が「大変なことになるかな」と、つい涙声になると、母は、「そりゃ、大変よ。でも、やってみるから、大丈夫」と元気づけるように、言ってくれた。

この文章に触れたとき、徹子さんのお母さまの、寛容さと懐の深さに、衝撃を受けた。

ここまで順調に進んでいたお話を断るとなると、お相手にお話をするお母さまの心理的な負担は小さくないだろうに。お母さま自身も、娘のためにと、多くの時間を費やしたことだろうに。

こどもの気持ちを大事にして、全てを引き受けて、しかも励ましの言葉をかける。

すばらしいお母さまだなあ、と感銘を受ける。

こういう懐の深いお母さまがいらっしゃったから、徹子さんという才能が、開花したのだろうな。


そして、親がこんな風に子どもの気持ちを尊重できたら、世界はもっと平和で幸せになるのではないかな。

と、そんな風に、思ったのだった。


自分自身の結婚観についても振り返る機会にしたい、と書き始めたのだけれど。

長くなってきたので、またの機会にしようと思う。


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