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【読書記録】世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方/八木仁平

この本は一昨年、進路に迷っていた時に読んだものです。
最近今までの手帳を見返す中で、ギッシリと感想が残してあったので久しぶりに手にとって再読しました。

内容は論理的でとにかく分かりやすいです。本文のデザインも大事なところにマーカーが引かれていたり、図やイラストも見やすく洗練されているので、サクサク読めてすんなり頭に入ってきます。テスト前に勉強のできる友達のすごく分かりやすいノートを借りたような感覚。

要点としては、
本当にやりたいこと=
好きなこと(情熱)
✖️得意なこと(才能)✖️大事なこと(価値観)
という公式にあてはめて、自己理解を深め、本当にやりたいことを見つけていくというシンプルなもの。この「得意なこと」という部分が自分にとって今まであまり考えてこなかった視点だったのでとても印象に残っています。
ちょうどこの本を読んでいた頃、「エール」という朝ドラを観ていたのですが、子ども時代の主人公(作曲家:古関裕而さん)に小学校の藤堂先生が、
「人よりほんの少し努力するのが辛くなくて、ほんの少し簡単にできること。それがお前の得意なものだ」
と言って背中を押す場面がありました。それがこの本の、
「自然と人よりも上手くできて、やっていて苦なく心地よいこと=得意なこと(才能)」
という部分に重なり、「ああそうか!」と自分の中で「得意なこと(才能)」についてイメージがしやすくなりました。

自分の場合は、昔から本を読むことと文章を書くことは、「やっていて苦なく心地良いこと」でした。読書感想文や作文の宿題は全く努力しなくても何故かそれなりに上手くできていた気がします。でも、それがどうやって自分の好きなこと(情熱)、すなわち「看護」へと繋がって行くのかなどと考えたことはありませんでした。でも今は看護に関する論文を読んだり書いたり、研究という手段を通して関わることができています。30代で新たな道を選ぶにあたり、この本と朝ドラの藤堂先生の言葉が私の背中を押してくれました。

なりたいもの(職業名)で「やりたいこと」を考えてはいけないという主張も「なるほど!」と思いました。

子どもに対して「なりたいものは何?」と聞く親がいますが、その質問はお勧めしません。その質問をすると子どもは職業イメージのいい仕事を答えてしまいます。
子どもに聞くべき正しい質問は「今何やってるのが楽しい?」です。この質問をすれば、子どもがどんなことに興味を持っているのかを知ることができて、子どもが本当に楽しめる仕事に繋がりやすくなります。

八木仁平:世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方

自分の子どもたちに対しても、ついつい「なりたいもの(職業)」を聞いてしまいがちでした。そうすると答えは「サッカー選手」「小学校の先生」など皆が憧れるものが出てきます。それもとても素敵なことだと思うけれど、「今何をやっているのが楽しいのか?」という視点でも子どもたちを見つめたいなと思いました。
そしていつか子どもたちが思い悩んで相談された時に、「今何をやっているのが楽しいの?」「自然と人よりも上手くできてやっていて苦なく心地良いことってなんだろう?」という問いかけをしてあげることができたらいいな。

人生のどんな段階においても、本当にやりたいことを探す場面において新たな視点をくれる一冊だと思います。

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