その先の未来を写したい #自粛明けにやりたいこと
「あれ、どうしてカメラをやっているんだ……」
今考えると、何かがおかしい。それもそのはず、天狼院書店の名物はライティング・ゼミだ。
自分も文章能力向上のために、片道1時間半かけて京都まで通っていた。往復でいうと3時間もかかるのだけど、文章を書いていくうちに自分でも書くことに対して、苦手意識が少しずつなくなっているのが自分でもわかってきた。書くことに楽しみを覚えてきたのである。
そんなときであった。講座のある日に前乗りをして、写真の専門誌を取り扱うコーナーをみていた。
「写真に興味があるんですか?」スタッフが自分に声をかけてきた。
写真には興味があった。以前、プロカメラマンの友人がイベントで登壇者の写真を撮影していた。
その姿をみて、自分もそんなふうに人を撮影してみたいと思っていた。イベントの翌週から、ヨドバシカメラに何度も足を運び、お気に入りのカメラを見つけた。キャノンの一眼レフカメラである。
ネットの情報によると、一眼レフカメラはデリケートに扱わなければ、すぐにダメになると書いていたため、すぐに防湿庫もセットで購入した。けっこうなお値段になったのである。
「大切に使っていこう……」そう思って扱っていたのだが、いつの間に防湿庫から取り出すのが億劫になり、約半年以上防湿庫から出していない状態であったのだ。
*
「キャノンの一眼レフカメラを持っているんですけど、全然写真を撮っていなくて……」苦笑いをしながら答えた。
「え〜もったいないですよ……カメラ一緒にやりましょうよ〜」
ライティングゼミを受講している最中だったため、カメラのことを考える余裕がなかったのである。
「ライティングゼミが落ち着いたら考えますね……」そっけない感じで答えた。正直このときは、あまり乗り気ではなかった。
その日の講義のときであった。
「カメラしていると文章に奥行きが出る……」
ライティング・ゼミの講師が講義中に呟いていた。
その言葉を見逃さなかった。「たしかに……」と納得する事実でもあった。
プロカメラマンの友人の文章を読むと、不思議と頭の中でイメージが浮かぶのである。そのため、その呟きやnoteは、多くの人に伝わっていた。イイネやリツイートの数も多かったのが印象的であった。多分だが、カメラをしていると奥行きが出るというのは、あながち間違いではないということがわかった。
「一眼レフカメラを持っているのに使ってなかったな。文章に奥行きが出るのならやってみようか……」かなり邪な気持ちであったに違いない。
ライティング・ゼミの講義も終わり、気がついたら2020年の1月の中旬になっていた。
ウキウキした表情で、店長が「Leica」というカメラをしている人なら、誰でも一度は購入してみたいと思う、高級カメラを購入していたのである。
カメラを購入したいということは、買う前から言っていたので覚えていた。
Canon、OLYMPUS、SONY、日本のカメラメーカーといったら大体このブランドが頭に浮かぶ。まさか、「Leica」を購入するとは思わなかった。
「ぜひ!2020年はカメラデビューの年にしましょうよ〜」
屈託のない真っ直ぐな目をしてこちらをみていたのを覚えている。
「ああ、これはカメラをやらないといけない雰囲気しかない……」
このとき、予感めいたものはあった。
約7ヶ月の間、ライティングに命をかけていたのだが、心なしか最後の1ヶ月は、ネタが思いつくまで大変な思いをした。苦し紛れのような記事ばかりで、フィードバック講師も、自分の文章を読んで、「苦しんでいますね……」と言っていたのを覚えている。
「苦しかった、本当に苦しかった」書いても、書いても自分の熱い気持ちが乗ったものが書けなくて、結果も散々であった。書くことに疲れていたのかもしれない。講義中にメモしたノートも振り返ったりして、そのことを踏まえて、書いたりした。それでもダメだった。ひとつの表現に拘っていたのである。
「写真をすると文章に奥行きが出る……」
ふと苦しんでいた自分の頭に浮かんだ言葉があった。そうだ、もしかするとカメラをすると、今苦しんでいる「文章」についてのヒントになるのではないかと思ったのだ。
「少しまわり道になるかもしれない……」最短ルートで目標に向かいたい。せっかちな性格な自分だけど、今は文章のヒントを、材料を掴むための準備期間だと思っている。
そして、例のウイルスの猛威によって、その準備期間もかなりの時間を有すると、メディアは言っている。
「もっと知りたい場面で、やっと見つけた時間で……」
外出が制限されて、約1ヶ月が経つ。
そんなときにふと、大好きなアーティストの歌詞が頭に流れてくる。
やっぱりそうだ。自分は早く色々な風景、景色を写したい、いろんな人に会いたいと思ってる。だから、願ってる。
「1.2.3.4、気づいたらコロナが終わってた……」という、
未来を信じて。
終わり
こちらは、あきらとさんの #自粛明けにやりたいこと の企画に合わせたものです。自分も今の状況が落ち着いたら、やりたいことを記事にしたいなと思っていたタイミングで、企画してくださった。
仮説ですが、あきらとさんは『noteの海の灯台』だと勝手に思っています……
現場から以上でーす。
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