ある視点⑤チェーン店のマニュアル脱却トイレ

先日、あるチェーン店で食事をした。その際トイレを利用したのだが、ここで一つ驚きがあった。

チェーン店と言えばマニュアルがあり、大抵どのお店も同じ印象を受けるものであるが、そこでは全く異なり、使う人の目線が意識されていた。


トイレのフック部分に用意されたハンガー


寒くなるこの時期、お客様は上着を着用し、荷物が普段よりも多くなることが多い。

トイレ自体があまり広くない場合、洋服や荷物の置き場所に悩むこともある。

フックが二つある場合、もしくはドアに向き合う部分に棚が配置されていると、そこを利用してバッグを置くこともできる。

困るのはフックが一つしかない場合である。

まず一旦バッグを掛け、その上からかぶせる様にコートをフックに引っ掛けるようにし、落ちないように気を付ける。

女性のトイレはただでさえ時間がかかりがちである。その上、荷物をどこに置くかを決めてからでないと、次の動きに移ることができない。

フック部分にハンガーが置かれていることにより、お客様はハンガーを利用し、自然とコートを掛ける位置を決定できる。

個室が一つしかない場合は、特に順番待ちの列ができることもある。時間の都合上、利用できずに退店するお客様もいる。

置かれていたハンガーがクリーニング店のものであったことはご愛敬であるが、ここにハンガーがあれば便利ではないかと発想したところに素晴らしさがあると感じた。

決まりきったことのみをただ遂行するのではなく、実際にお客様が使うとしたらという変革、改善の心を持って仕事に取り組む姿勢が垣間見えるトイレであった。

使いやすさを追求することは時間のロスをなくし、おもてなしの心につながっていく





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