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これからの居心地の良さについて 中村康太郎さん編/「Terra Australis Incognitaが消えるまで」

イントロ

全員に訪れる未来そのものを、必ず向かう場所として捉えてみる。そこがもし島や大陸ならば、周りに流れている海には何が流れているだろうか。未来そのものは、漂流先/旅行先のどちらだろう。

およそ一年をかけ、さまざまな場所で公演を行う演劇作品『Terra Australis Incognita』の宣伝文はそのように書いています。

ウイルス禍において、公園がひとつの息抜きスポットになり、リモートの会議などが増えることで、おうち時間を豊かに・快適にするためのグッズが売り上げを伸ばしたりしました。

そこから広がり「これからの居心地の良さ」について考えてみます。一口に「これからの居心地の良さ」と言っても、場所やコミュニティによって変化し、多方にも跨るこのテーマを元に、さまざまな方とお話をさせていただいた模様を、記事として更新していきます。

それでは、本編をご覧ください。

本編

三橋 こんにちは。
全員 こんにちはー。
三橋 第7回ですね。今回も「これからの居心地の良さ」についてお話させていただければなと思っています。本日のゲストは、中村康太郎さんです。お願いします。
中村 お願いします〜。
全員 お願いします〜。
三橋 今回も、話し手兼聞き手として、譜面絵画から、宮ヶ原萌さんと小見朋生さんに参加していただいています。
宮ヶ原・小見 よろしくお願いします〜。
三橋 進行役は三橋亮太が勤めさせていただきます。無限に話せちゃうので今回もちゃんと15分はかっていきたいと思います。それでは、タイマースタート。

タイマースタート

三橋 というわけで話していこうと思うのですが、15分これ意外とあっという間なんですよ。
中村 そうなんだ。
三橋 他の方の記事とかって読まれたりしました?
中村 一応全部見ています。
三橋 全部!ありがとうございます。この企画を聞いた時に最初に思ったこととか、この人の記事のここ面白いなーって思ったこととか、そういうのあったりしますか?
中村 あー、とりあえず、でもやっぱ、心地いい場所と時間のことは考えた。
宮ヶ原 時間か。
中村 そう時間。
三橋 どういう時間のことですか?
中村 これね、あんまりみんなが共感はできないかもしれないんですけどね。去年の自粛期間、あれが1番心地よかったのね、ここ数年で。
全員 え〜。
三橋 時間の流れがゆっくりしているみたいな?
中村 それももちろんあるんだけど、タイミングかな。あの時自粛期間に入ったタイミングがさ、それまでの自分は週6とかで夜勤入ってて、すごい切羽詰まってるというかミッチミチの生活してたから、感覚的には長期休暇みたいな感じで自粛期間に入れたんだよね。だからね、すごいリラックスしてた、ずーっと。あんまり外には出られなかったけど。
宮ヶ原 余裕のある時間が増えたっていうことが良かったんですね。
中村 そうね。
宮ヶ原 それはめちゃくちゃわかる。
小見 自分も前、どっかの記事とかでも話したんですけど、3月で大学を卒業したんで、将来のこととかすごい焦ってて。でもその時に世界が全部止まったんで、「あ、ラッキーなんもやんなくていいんだ」っていうか、焦りがなくなった期間があって。そこらへんが居心地良かったっていうのは結構わかりますね。自分が悪くなく休めるのが、めちゃくちゃよかったですよね。
宮ヶ原 そうだね。
三橋 公的な休みだったよね。
宮ヶ原 めちゃくちゃわかる。
中村 許されてるんだなっていう。
小見 むしろそうしてる方が偉いし。
宮ヶ原 そうそう。
三橋 なんか動植物に優しくなれた気がする、あの期間は。
宮ヶ原 動植物?
三橋 春からゴールデンウィークとか梅雨とかあったけど、外でぱらぱらと雨降ってたり、窓開けた時に吹き込んでくる風とかさ、外飛んでるちょうちょとかさ、庭に芽吹く植物たちにニコニコしてた。
宮ヶ原 待って、心が優しくなってる。
三橋 のもあるし、Twitterがすごい過激だったのもあって、なんか、目に見える2つの世界が全く違くて、色々感じたな。
中村 Twitterね。Twitterはちょっと俺も一瞬ガーンてなった時ある。尖ったというか。
宮ヶ原 そうなんですね。
三橋 みんながTwitter見てる時期だったし、白熱してたっていうか、団結できちゃうしね。代理戦争じゃないけど。
宮ヶ原 私は逆に、自粛期間、一切SNS止まってた。
中村 偉いよ。
三橋 それができるのがね。
宮ヶ原 見なくなるんだって思った、逆に興味がなくなっちゃって。
三橋 外出てる時の方が見るってこと?
宮ヶ原 うん。
三橋 へー、
宮ヶ原 インスタのストーリーでこんなの上がってたよねみたいな、会った時にそういう話題を話せるから見てる。っていうのがでかくて。だから話すことないしなって思っちゃって見なくなっちゃった、一切。
中村 余裕生まれると思う、そっちの方が。精神的にも。
宮ヶ原 そうでした。
小見 現実のコミュニケーションのツールとして使ってるのね。
宮ヶ原 そうかな。
三橋 1番それがいいよね。
宮ヶ原 ありがとうございます。
三橋 それが心地いいと思う。

三橋 他の人の記事読んで、ここよかったなとか、俺もこれ興味あるとか、そういうのあったりしました?
中村 中山正太郎のクラブの話かな。あれはちょっと自分もわからなくもないなーっていう感じがあって。密になっちゃいけないっていう期間に密になってしまう場所があるっていうのが、なんか、やっちゃいけないけどやっちゃってる感があってね、
小見 夜中のラーメンみたいな。
中村 そうそう。
小見 背徳感?
中村 そうそう、背徳感。その気持ちはちょっとわかるなって思ってて。やりはしなかったけど。俺は自粛期間中に深夜2時くらいに外出て、誰もいないからマスク外して散歩するってのが日課になってて。すっごい気持ちよかったの、それが。それのおかげで今、自粛期間が心地よかったっていうのも。
小見 ちゃんとガス抜きする方法があったんですね。
宮ヶ原 上手だったんですね、その感覚が。
三橋 今はどういう感じなんですか?今、なんだかんだグラデーションっていうか、はざまじゃないですか。あの頃と比べて。
中村 グラデーション。
宮ヶ原 ガッツリ休暇っていうわけでもないね。
中村 その後にバイトの仕事もちょくちょく増えてきて、お金がちょっと纏まったタイミングに、舞台とか、俺、一年半くらい舞台見てなくて、やってもなかったし。久しぶりに舞台を観にいったのね。三谷幸喜の作品なんだけど、それニューヨークが舞台だったんだけど、最初にカーテンをバーンって開けて、開けたら外のニューヨークの景色が見えるっていう演出に、なんか、俺、それにすっごい感動して、「ニューヨークなんだここ」って。
宮ヶ原 めっちゃ純粋に見れたんだ。
中村 劇場は世田谷なんだけど。「ニューヨークだここ」と思って。その時それではっきりしたというか、自分のスタンスが。別に、俳優みたいな肩書きとかこだわんなくていいなっていう風になったの、それ見て。
三橋・小見 へー。
中村 こういう豊かさが生まれる舞台とか、作品だったらなんでもいいなっていう感じに今フラットというかそういう風になってる。だから、それは、すごいよかったよね。あ、ちょっと質問の答えになってるかはわからないけど。
三橋 あの、自粛明けの時に久々に舞台を見た時、初めて高校生の時にちゃんとした舞台を見た時に近い感動はあったよね。
中村 そうそう。
三橋 新鮮だったよね。
中村 そうね。
宮ヶ原 すっごいキラッキラに見えるんだ。
中村 そうそうそう。
宮ヶ原 ほんとに?!みたいなね。
三橋 舞台にちゃんと集中するんだよね。なあなあで見てないというか。「久々に見るぞ」って自分も気合入ってるしさ、あっちもご時世的に気合入ってるだろうし。
小見 命がけだからね、観にいくのが。
三橋 もしかしたら劇場で、観客も出演者もスタッフもみんなで共犯になってたのかもしれないね、一丸となってね。
宮ヶ原 舞台を見るっていう習慣がない人が行くのと、おんなじくらい行き辛い感じもする。
三橋 これはさ希望的観測かもしれないけど、ワクチンとかによって落ち着いたり、この自粛みたいなのが全部終わった後のことね。今は会う人が限定されてるじゃないですか、何か用事があるから行くとか。仕事があるから行くとか。もしかしたら前からそうだったかもしれないけど。でもその頃よりも今はもっと、リモートとかが増えてきてすっかり普及したから、そっちで済ませて会うことをせずに解決しちゃうことも増えてるから、会うことに価値とか理由が必要になってきてる感じがするのね。だから、これが終わった後にもしかしたら、リアルでやるような演劇とか、体験性を伴うパフォーマンスとか作品のエネルギーとかに価値じゃないけど、特別性みたいなのが生まれればいいなと思ったりするんだよね。
宮ヶ原 いいね。
小見 ただ、ガッツリここで終わりですって感じで終わるわけじゃないからね。
三橋 そうね、それもね。
小見 ゆっくりみんなが慣れていって、その価値に気づかない可能性もある。
三橋 まあでも、ある程度の衝撃はあって欲しいよね。久々に映画館行った時の衝撃もあるじゃない。自粛明けに。
宮ヶ原 そうか。
三橋 久しぶりに外出した時に感じる自然の豊かさもさ、新鮮さから引き込まれるわけだから、そこをねうまくリーチしておきたいよね。
小見 この期間じゃなかったら『TENET』って、たぶんちゃんと見られなかったかも。
全員 あー。
小見 集中してね。投げ出しちゃうところだった、たぶん。展開がすごい早いから。
三橋 こう、自分で追おうとしなかったってことだよね。
小見 でも見た時は、貪欲に貪欲に見てたよ。ちゃんと理解できてたと思うし。
三橋 飢えてたんだろうね。いろんなコンテンツが。Youtubeとか見飽きちゃったかもしれないけど。
中村 生。なまものというか。演劇作品も映画もそうだけど。
三橋 その価値をもう一回見出せたことはいいことだったかもしれないね。
中村 いいことだったと思う。
三橋 特に今、その、20歳前半くらいの、これからどうしようかっていうタイミングでもう一回自分の進む道みたいなのを示してくれたのは、よかったかもしれないね。
宮ヶ原 考える時間になった。
中村 ウイルス禍のメリットではあった。
三橋 インプットって意識してしました?その、休暇だった期間。
中村 あれやろうこれやろうって?
三橋 そうそうそう、せっかくだからみたいな。
中村 あーそうだね。料理のレパートリーはすごい増えた。
三橋 めっちゃいいじゃん!
宮ヶ原 ゆで卵上手に作れるようになってましたよね。
中村 俺でも、その後また失敗した。
三橋 あれ。
中村 あ、ペペロンチーノがすっごい上手になった。
三橋 すごいな。いいね。
宮ヶ原 私も確かに料理のスキル上がったわ。
中村 自分は特に一人暮らしだしね。
三橋 偉い。

宮ヶ原
 最初に言ってた、落ち着く場所とか空間はどんなところが思い浮かびました?
中村 場所はね、これも自粛期間になっちゃうんだけど、映画館。
宮ヶ原 あーそうなんだ。
中村 一席分、空いてたじゃない。最近までそうだったけど、今もう普通に戻っちゃって、逆に、それが普通なのに窮屈みたいな。映画館的には一席あいた状態はマイナスだと思うし、今の状態が1番いいんだろうけど、でも一席開けた映画館はすごいリラックスできてね。
小見 確かに確かに。
三橋 なに見ました?最初。
中村 それこそ『TENET』も見たし、
小見 『2分の1の魔法』とか見ました?
中村 見てない。
三橋 見に行きました。
宮ヶ原 行ったー。
小見 「ナショナル・シアター・ライブ」とかは?
中村 最近行けてないな。あれも一席あけて見れるの?
小見 全然です。
宮ヶ原 「ナショナル・シアター・ライブ」はキツキツです。
三橋 あそこって、もともとタイトだよね。
小見 でも、劇場側の人が、ここだったら隣空けられますとか、ここだとお隣さんいますけど、みたいな感じで細かく事前に言ってくれるので、基本的には一席空けで観られますよ。
中村 いいサービスだね。
三橋 映画館のあの、自分でポチって選べたりするシステムっていいですよね。席をね、自分で好きな席に座れるって。演劇も自由席が多いけど、案内されたりとかするじゃない。だからそういう風になったらいいけど、やっぱり大変だよね。
宮ヶ原 大変だね。
三橋 色々と都合があるから。
中村 見たい作品を選ぶのが当日で大丈夫とか良いよね。
三橋 映画館で、それぞれのベストなポジションってどこら辺ですか?
中村 俺は1番ほんとに端っこ。
三橋 本当に端の端なんだ。
宮ヶ原 斜めに見えるのも大丈夫?
中村 全然、
三橋 3人がけとかの端ってことですよね。
中村 うん。
小見 3D以外は楽ですよね。
中村 3Dはちょっとね。
宮ヶ原 自分は、王道だけど、真ん中より一列後ろの真ん中。
三橋 あ、真ん中。
宮ヶ原 真ん中の、真ん中。
小見 自分はH列からJ列あたりの右端。真ん中の区間の右端。
宮ヶ原 うんうん。
三橋 8、9列目くらいの端だね。
小見 そう。ちょうど首を上にしなくても見えるし、そんなに遠くもない。
宮ヶ原 真っ直ぐの目線で見えるとこがいいんだよね。
三橋 自分もそのぐらいの位置の端だね、それで通路側。
中村 迷惑かけないもんね。
宮ヶ原 確かに。
三橋 見てる最中もこうやって、ダラーって腕を垂らせるから。ドリンクホルダーも気を使わなくて良い。
宮ヶ原 そう考えると落ち着く場所って、どこにでも作れるっちゃ作れるんだね。
三橋 うん。
小見 僕、レイトショーめちゃめちゃ好きなんですよ。
中村 めっちゃわかる。
小見 心地もいいし安いし。今、やってないじゃないですか、
三橋 あ、やってないんだ。
小見 そう。ショックデカくて。
宮ヶ原 8時までだよね、多分。
三橋 映画館も。
宮ヶ原 うん。
小見
 バイトが大体9時半くらいに終わるから、レイトショーじゃないと映画が見られないんだよね、

タイマーがなる

宮ヶ原 あ、
三橋 タイマーが鳴ったというわけで、途中ですが終わりにしたいと思います。今回の「これからの居心地の良さについて」、ゲストは中村康太郎さんでした。ありがとうございました。
全員 ありがとうございました。

お読みいただきありがとうございました。
よろしければ、次回もご覧ください。


譜面絵画 1st(戯)曲アルバム『Terra Australis Incognita』
▼ご購入はこちらから▼
https://fumenkaiga.wixsite.com/fumenkaiga/album

収録(戯)曲
1. 初鳴日
2. FOLKLORE
3. 新世界よりも
4. ビオトープ
5. Log
6. 銀貨(裏)
7. ツーリズムガイド
8. 緑と青の全貌

譜面絵画 vol.11『Terra Australis Incognita』
③ 吉祥寺 ver.

▼チケットはこちらから(Peatix)▼
https://fumen11.peatix.com/
▼チケットはこちらから(PassMarket)▼
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01hyta11h6vsh.html#detail

【会場​】
吉祥寺シアター

【日時】 
2021年3月14日(日)
13:00 / 18:00

【出演】
小見朋生(譜面絵画)

宮ヶ原萌(譜面絵画)
川端真奈
新藤みなみ(中野成樹+フランケンズ)
高橋星音(無名塾)
中村康太郎(人生旅行)
中山正太郎(無名塾)
松﨑義邦(東京デスロック)
三河美優
村山和弥(三輪舎)



【映像出演】

南風盛もえ(⻘年団)

黒澤多生(⻘年団)

【スタッフ】

脚本・演出・宣伝美術 三橋亮太(譜面絵画/⻘年団演出部)

舞台監督 篠崎うらら

照明 黒岩玲音
制作 大川あやの(譜面絵画) 河﨑正太郎(譜面絵画)
制作助手 落合比奈
セノグラフィー 白金里菜

協力:三輪舎/人生旅行/青年団/東京デスロック/中野成樹+フランケンズ/無名塾
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京


●ドネーション
ご覧いただいた作品・本企画を気に入っていただけましたら、「DONERU」よりドネーション(寄付)いただけますと幸いです。
今後の活動資金に活用させていただきますので、よろしければご支援お願いいたします。
譜面絵画の「DONERU」
https://doneru.jp/fumenkaiga


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