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サステナブル素材とグリーンウォッシュは表裏一体。衣服の素材表示で気を付けるべきこととは? 

戦略広報の斉藤です。いつもnoteを読んでくださってありがとうございます。先日、当社が入会しているジャパンサステナブルファッションアライアンス(JSFA)主催の勉強会に参加しました。サステナビリティと品質表示および広告訴求についての勉強会で学んだことや感想をお話しします。

フルカイテンがJSFAに加入した経緯と目指すこと

JSFAは、ファッションビジネスを持続可能な産業へ移行させることを目的として2021年8月に設立された組織です。当社は2022年3月から正会員として入会しました。

JSFA入会時のプレスリリースはこちら

当社のミッション(世界の大量廃棄問題を解決する)とJSFAが掲げる「適量生産・適量購入・循環利用によるファッションロスゼロ」「2050年カーボンニュートラル」という目標が一致しており、弊社がミッション達成のために取り組んでいることが、JSFAの目標達成にも貢献できると捉え、JSFAの活動に参画しています。

JSFA公式ホームページはこちら

サステナブル素材とグリーンウォッシュは表裏一体

今回の勉強会は、家庭用品品質表示法とは?という話がメインでした。参加者からは「家庭用品品質表示法は複雑で難しいので安易に判断して表示すると虚偽表示になりうるので、消費者庁などへの細やかな確認が必要だと感じました。」という感想が寄せられていました。確かに勉強会の中で、何の素材が含有しているか特定できない場合の特例が多いと感じたので、慎重な調査は必須だと思いました。万が一、虚偽表示をしたサステナブル素材はグリーンウォッシュにあたるので、企業の信用に関わる重要な問題だと分かりました。

最近、SDGsについて聞かない日はありませんが、JIS  Q 14021 : 2000「環境ラベル及び宣言− 自己宣言による環境主張」によると、持続可能性について以下のように説明しています。

「持続可能性(サステナビリティ)に関する概念は、極めて複雑であり、いまだ研究途上にある。現時点では、持続可能性を計測したり、達成を確認する確実な方法がない。したがって、持続可能であると主張してはいけない。

少し極端な感じもしますが、サステナビリティを達成したという表現は不適切だと分かりました。そして世界ではグリーンウォッシュをしている企業名を公開し、厳しく処していることも知りました。
根拠もないのに「環境にやさしい」などと言及してはならず、環境訴求が真実ではない、あるいは検証できない場合、その行為はグリーンウォッシュにあたります。

2022年6月、イギリスの公正取引委員会が発表したデータによると、グリーンウォッシュの苦情の4分の1はファッションブランドによるものだそうです。サステナブル素材とうたっていても、実際は根拠がないケースが多いようです。

2022年6月27日 国際法律事務所RPCによるプレスリリースはこちら

SDGsへの関心が高まっているのは良いことですが、SDGsを流行と捉えて実績のない表面上だけの発信をすると、ウォッシュになりうると分かりました。このことからも、サステナブル素材とグリーンウォッシュは表裏一体の関係にあると実感しました。

品質表示と訴求広告において、守るべき2つの法令とは

家庭用品品質表示法には、繊維製品品質表示規定と雑貨工業品品質表示規定があります。
難しい法律名ですが、ポイントを紹介します。

・素材の含有量はいかなる場合でも偽ってはならない
例:毛70%、アクリル25%、ナイロン5%という含有量は正確に表示する

・家庭用品品質表示法には原則が通じない場合の特例がある
ケースバイケースで柔軟に対応する場合がある。分類が不明な場合はカケンセンターで調査し特定するが、特定できない場合はリサイクル素材とは言えない

・混用率不明と記入してよい例もある。ただし全て不明とは言っていけない
例:ポリエステル 50%、綿 不明、レーヨン 不明

日本でも環境省が「環境表示ガイドライン」の中で、適切な環境表示の条件を公開しています。ポイントは以下の通りです。

・根拠に基づく正確な情報であること
・消費者に誤解を与えないものであること
・環境表示の内容について検証できること
・あいまい又は抽象的でないこと

全てに共通しているのは、正確な情報を掲載するということです。どんな物事にもいえますが、嘘はつかず誠実な姿勢でいることが信頼に繋がると感じました。

参考:環境省_環境ラベル等データベース

サステナブル素材の矛盾

今後、様々なアパレル企業が再生素材を使って衣服を作る場合、集めた再生素材の大半が素材不明になると、再生素材を活用する機会を失うので、リサイクルしやすい衣類のラベル表示は必須だと感じました。

ですが、そもそも再生素材を使ったとしても、売り切れない量の衣服を作ることは本末転倒だと言えます。このような「作り過ぎ問題」に対して、当社は需要予測の精度向上と在庫効率の改善の観点で価値を提供し、サプライチェーン全体に対してどのように働きかけていくか、JSFA会員メンバーと知恵を出し合い具現化を目指します。

ここまで読んでくださってありがとうございました。


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