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身近なものからSDGsへの理解を深める講義&ワークショップ開講!私達にできる社会問題への取組みを始めることができました

2021年9月16日、兵庫県西宮市にある関西学院高等部にて、「事業そのものがSDGsに直結している会社」として弊社代表の瀬川が特別授業を担当させて頂きました!

あなたは今年、何着服を買いましたか?

あなたは最近、服を買いましたか?という、身近な話題から入ります。
SDGsとは目に見えないもので、安全で豊かな日本という国に生まれた私達は、自分が直接痛みや喜びを感じるようなことは少ないと思います。人によってはどこか他人事に聞こえることもあるかもしれません。

そこで、いかにこの講義を生徒さんたちに自分事として捉えてもらえるかについて瀬川と何度も議論しました。
結果、座学はそこそこに、メインはワークショップで行うという結論になり、生徒たち自ら参加し、学んでもらう機会にすることにしました!

迎えた当日、まずは瀬川の自己紹介。瀬川が着ているTシャツについて。「SDGs」とバーンと買いてあります。
ここでくすっと笑いが起きるはず・・が、微妙に掴みは完了。

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どうして起業したのか?どうしてFULL KAITENを開発するに至ったのか?などの世間話から始まり、現在「FULL KAITEN」というサービスを開発・提供していて、それが機械学習でアパレルなどの在庫の量を最適化するものであること、在庫が最適化されれば大量生産や廃棄が抑えられること、リサイクル可能な原料を使ったり、古着を回収するよりも、FULL KAITENが実現する「そもそも不要なものを作らない」という取組みは結果としてSDGsに直結していくこと。
そんなお話をさせてもらいました。

早速生徒たちに質問!今年何着服を買いました??
15着という女子生徒。5・6着かな、、という男子生徒。

日本では、毎年40億点、30年前の2倍の量の衣服が作られています。
毎年すごい勢いで人口が減っているのに、流通する衣料品の点数は増え続けている。そりゃ余りますよね。
それらの衣料品を全て売り切るには、赤ちゃんからお年寄りまで全ての人が、なんと年間33着もの服を買う計算になります。
全員がそんなに買います?・・・おそらく買わないですよね。
そうして作り過ぎて余った商品は、廃棄、焼却されていきます。
結果、世界で228億点の衣料品在庫が廃棄されていて、作るときも、廃棄する時も、貴重な資源が使われています。

大量生産は誰のせい?

じゃぁどうしてそんなに作ってしまうのか??作りすぎは誰のせい??
作った企業が悪い?でも、企業は資本主義のルールの中で戦っている。
買ってしまう私達が悪い?でも、買わなくては消費されない。

このような問題で、「誰が悪い」という画一的な答えはないのです。

大事なのは一部分のニュースや噂を見て判断してしまわないこと。どの事象を切り取るかで、見え方は変わってくるものです。
情報が溢れている社会に生きていくみなさんには、多面的にものを見るということができる大人になって欲しいと思います。

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ここまでの座学でも生徒さんから色んな意見をもらいました。

消費をもっと増やすようにすればいいのではないか?
瀬川さんは会社を作ってよかったですか?

生徒さん達がいつの間にか、しっかり瀬川の話に耳を傾けている様子が印象的でした。

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なぜ在庫が余るの?ダイスゲームでワークショップ

さて、このあとはワークショップに入ります。
先ほど話していた、どうして衣料品を作り過ぎてしまうのか?!なんとか調整できないの?
それを簡単なゲームで体感してもらいましょう!

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本日準備してきたのは「ダイスゲーム」!
5つのグループに分かれて、それぞれ、衣料が作られて購入されるまでの過程にある「工場」「商社」「MD(マーチャンダイジング)」「店舗」「お客様」を担当してもらいます。
それぞれがサイコロをふり、出た目の数だけ商品を仕入れることができるというゲーム。
サイコロを6回振った時に出る目の合計の期待値を計算すると「21」。最終的にお客様に21個の商品が売れれば期待通り。
しかし実際にそううまく行くのか?!

例えば店舗グループ。4の目が出て、MDから商品を4つ仕入れます。
次はお客様グループ。店舗で商品を買いますが、ここでは6の目が出ました。しかし店舗には4つしか商品がありませんから、4つしか販売ができません。
現実の世界でもこのようなことが起きます。仕入れたくても、売りたくても、その可否は前の工程に依存するのです。

このゲームを通して、売りたいのに売れない、在庫がめっちゃあるのに出荷できない、そんなジレンマを感じてもらい、生徒さんたちは「よっしゃー!」と喜んだり、「あーー!」っと落ち込んだり。素晴らしく一喜一憂してくれました!

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このようなことが起きる理由は2つあり、統計変動・依存事象と呼ばれるものです。
その後各グループで話合ってもらい、この2つに具体的にどんなものがあるか、考えてもらいました。

・コロナショックでマスクが仕入れられなかった
・暖冬だった
・急に流行しだした

どれもリアルな意見ばかりです!

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AIがトレンドになっている時代ですが、例えば、犬の画像を100枚学習させ、101枚目の画像が犬かどうかを判断させるような、前提条件が変わらない状況ではAIの需要予測は有効です。
だけど自然社会では、コロナの流行・天候・トレンド・・前提条件は変わり続けます。そんな状況で需要を先読みして抜群な精度で適量生産するのは、現実的には無理なことなんですよね。
SDGsやサステナビリティを考える時、大量生産や大量廃棄という問題をいきなり問題視しても何も変わりません。なぜそれが起きるのか、なぜ解決が難しいのかを論理立てて理解することです。
その上で、何が制約条件なのかを考える。今回でいえば前提が変わることが制約条件ですよね。で、そういう環境下ででも、できるだけベストな解決方法は何かを考えていく。
これから皆さんが社会に出て、このような問題に対峙していく職に就く時にぜひ頭に入れておいて欲しいことです。

その後生徒さんから頂いた感想
・AIを用いたシステムでビジネスを展開しておられるとおっしゃっていましたが、具体的にどのようなシステム、AIなのでしょうか
・よく全部売れないのは計画性がないからだ、などと批判する人がいますが、実際生産者から客に届くまでに必ず余りが存在してしまう法則があることをゲームを通じて実感しました。ありがとうございました。
・実際にどのようなシステムを販売しているのか詳しく知りたいです。
・統計変動と依存事象について、ゲームを通して私たちに分かりやすくレクチャーしてくださって、講義についてさらに理解が深まりました。大学で経営学を学ぼうと思っているので、雰囲気が分かった気がしています。聞きたいことが3つあります。①たくさんの企業と提携されているとお聞きしましたが、それは元々企業との交流が(EC事業に参入されている頃など)あったのでしょうか?②今後、フルカイテンを日本のみならず海外にも広く進出させていく予定はありますか?③特殊な服(例えば着物などのような値段が比較的高い、普通の服と比べて普段は売れにくいもの)の在庫管理はされていますか?衣料事業に興味があったので、とても参考になるお話を聞くことができて貴重な時間を過ごすことができました。ありがとうございました!

このようにさらなる質問もたくさん頂き、この講義が、高校生の皆さんにSDGsを主体的に考えてもらうきっかけになったのならとても嬉しいことです!

SDGsの講義依頼を受け付けています

フルカイテン株式会社のミッションは「世界の大量廃棄問題を解決する」です。

弊社が実施する講義は、みなさんにとって身近であり、弊社の得意分野でもあるアパレル業界を例に挙げた大量生産・大量廃棄の問題について、主体的に考えて頂けるような内容を目指しています。

具体的な例をお話し、ワークショップを取り入れながらSDGsを考え、自分にできることや、世の中がどう変わればいいのかを深く考えてみる機会になれば幸いです。

ご興味のある方はぜひ、お問い合わせください!
フルカイテン株式会社 社長室 宮本 まで。

miyamoto@full-kaiten.com

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