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「思考の整理学」と羽生結弦選手(スケート)

英文学者で評論家の外山 滋比古氏の著書で、東京大学と京都大学の生協の書籍販売ランキングで1位となった「思考の整理学」という本がありますが、意外に難しいことが書かれている訳ではなく、読み進めていく中で、次のような一文が印象的でした。

 「努力をすれば、どんなことでも成就するように考えるのは、思い上がりである。」
「努力をしても、できないことがある。」

この言葉から想い出したこと…。
そう…  冬季五輪でのスケート選手・羽生結弦さんのインタビューでの言葉です。

14年のソチ、18年の平昌と2大会連続で金メダルを獲得したスケートの羽生結弦選手が、次に臨んだ北京五輪では、ショートプログラムでの冒頭の4回転サルコーで、足がリンクの穴に挟まり1回転となった。
このミスが響き、8位でショートを終えた羽生選手は「氷に嫌われちゃったな。」と振り返り、次のフリープログラムでは、前人未到の4回転半ジャンプに挑戦したが、そのジャンプは失敗に終わった。
最終順位も4位となり、表彰台入りを逃した羽生選手は、滑走後のインタビューで言葉を詰まらせながらも、こう語った。
「一生懸命、頑張りました。正直、これ以上ないくらい頑張ったと思います。まあ、報われない努力だったかもしれないですけど。でも...。確かに、ショートから上手くいかないことも、いっぱいありましたけど、むしろ、上手くいかないことしかありませんでしたけど、一生懸命、頑張りました。」
「正直、悔しいですよ。なんで、報われないんだろうなって思いながら、この3日間、ずっと過ごしていました。」と思いを吐露し、「努力って、報われないなって思いました。」と涙ながらに話していた。

羽生さんの、この言葉は、自らの命を削るような練習を繰り返し、本番の大会でも、全力で臨んだ五輪大会の結果でのこと。
まだまだ、自分では「報われない努力」の言葉を使うには及ばないですね。

本書には、ほかに「何十年という沈潜ののちに、はじめて形を整えるということもある。」と記述されている。
そう、無意識の時間を使って、考えを〜寝させる〜ことに関心を持とうと想う。


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