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複雑性PTSDが教えてくれたこと。

最近はPTSDの病識が出てきました。

ところで、PTSDって今は珍しい疾患じゃないですよね。

わたしの世代が就職氷河期として受けた仕打ちは、いまの若い世代にも引き継がれている社会問題があります。

旧世代の教えで社会に出て、なんの受け皿もなかったこと。支援もなく放置されたこと。男女の待遇格差も今よりも大きく、非正規雇用から浮上もできなかったこと。結果、結婚も出産も諦めた人が多かったこと。理解してくれる旧世代の人がいなかったこと。
それはつまり、孤独や、賃金格差の是正が起きなかったことです。

この、予測できなかった仕打ちは、戦争体験に匹敵するストレス体験だと言えます。のちのち、国の統計でデータにも出てくる問題だと思っています。旧世代がお金を溜め込んで次世代に引き継がないこと、自衛に必死であること、自分たちが次世代にした仕打ちを過小評価して責任から逃れようとしています。

何一つ氷河期世代のメンタルヘルスはケアされることはなく、現役時代を終えようとしています。
忘れないでいただきたいのは、最近、表立ってきている男女格差の問題は、わたしたちの屍の上に声が上がってきて、いまがより良くなっていることです。
男性が結婚出産で仕事から離れないことを前提に育成キャリアを組まれていること、女性が考慮されて場当たり的に配置転換されていること、美人ほど採用されやすい傾向、これらは氷河期世代のときはより偏見が強かったことを忘れないでいただきたい。だから、保守的に注意深く男尊女卑におもねってきた人のほうが生きやすい世の中だったはずです。だとしても、採用は保証されなかった。

相当数は諦めて自分からフリーターなど選んだ人も多かった。わたしもその1人です。

適切な医療と福祉に繋がって自己整理が進みましたが、支援がなかったうちは三十年、自分がつかめないまま症状の中でもがき続けました。

親の理解がないままだと、複雑性PTSDが働き、貧困に陥り、人との関わりを絶ちやすくなります。会社を転々とし、深く関わらないようにして孤立感を深めます。怯えているのに、外からは警戒心剥き出して怖い人のように誤解されます。不安にとらわれやすいです。

氷河期世代はこれから緩やかに初老期に入っていきます。高齢者の仲間入りをしたときに、孤立感、放置され嫌われる存在になることを知ります。その体感は精神障害者としてのけものに差別される感覚と、さして体感は変わりません。みなさん、なにかない限りはみんな、こうした高齢者になっていくのです。

障害だと区別する社会が障害を内包していて、みながおなじように暮らせる世の中に変えていく、ノーマライゼーションという考え方が広まっていくといいなと思っています。発達障害だって、マイクロプラスチックがへその緒に見つかったから他人事ではないのです。相当数いるうえに、なりたくてなっているわけではありません。障害があることが悪ではなくて、得体のしれないものとして遠ざける無関心が一番の刃となっています。

みんな、静かに平穏に暮らしたいだけなんですけどね。

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