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公演の振り返り③(制作編)

[フキョウワ]第二回公演『足掻き(あしかき)』及び、
公演にまつわる話の振り返りを行っていく。
今回は制作面での振り返り。

公演にまつわる、と書いたけど今回のも含め
“制作”というものについて考えていることをちらほら。

演劇には“制作”という謎の部署・役職(?)がある。
これは小劇場に限らず商業化した演劇の組織にも
おそらく通ずるところだと思う。

この“制作”という部署、演劇においてはめちゃくちゃ重要で
実際、“制作”がダメなせいで芝居全体の印象が悪くなった
(面白くないと感じた)ことは何度もある。
ここでいう「“制作”がダメ」というのは厳密には
「現場運営が行き届いていない」ということなのだが
それも踏まえて“制作”という部署について考えてみたいと思う。

“制作”
とは何か。
これ、団体によって定義が違っていたりする。
「それって制作の仕事だよね」という言うとき
現場によってはそれは「主催団体」の仕事だ
みたいに言われることがある。
正直、個人的には“制作”という言葉は解体して
実務に応じて“現場運営”とか“チケット販売管理”とか
明確な名称にした方が、その手の行き違い・いざこざは無くなると思う。
([フキョウワ]では“制作”という言葉を極力使わないようにしている。)
一方で、多くの仕事を一括りにして“制作”と言いたい気持ちもわかる。
それくらい、それぞれの仕事がどうしようもなく関連してしまうからだ。
とはいえ、おおむね“制作”という仕事に含まれる、あるいは関連する仕事を
書き出してみよう。

①経理関係
予算編成、資金調達、精算、金庫・預金管理

②プロデュース部門
公演・イベント企画立案、ブランディング
グッズ販売、劇団方針決定、人材登用、ショーレース管理

③プロモーション
DM、プレスリリース、チラシ配布、取材、
Twitter、ブログ、チケット販促、劇団の営業活動

④チケット販売関係
販売管理、各種連絡、予約状況の伝達

⑤現場運営
稽古場確保、稽古場運営、楽屋運営、
ケータリング発注、現場スタッフ配置、当日受付、打ち上げ運営

それぞれ、これはこっちだろみたいな、
人によるところもあるだろうが、
ざっとこんな感じだろうか。
書き出してみて思うが、あれだ
中小企業とかで
総務兼経理兼広報兼営業
みたいな話をよく聞いたりするが、それと一緒だ。
“劇団”と言う名の中小零細企業で
その作品創作の土台となる部署、それが“制作”なのだ。

これ、①~⑤までを分けて書いてるけど
どれも密接に連関しあっている。
④のチケット販売の管理は言わずもがな、③のプロモーションや
⑤の当日運営に関わってくるし
①の経理関係の話はすべての部分に影響してくる。

とはいえ、多くの劇団では①~③までを“主催劇団”の仕事として行い、
④・⑤の仕事を外注している、というケースが多いのではないだろうか。
劇団規模が大きい場合、全部自団体でまかなう、というケースや
公演規模が大きい場合①~③含めすべて委託する、というケースも
あるかもしれない

“制作”の仕事がおおむね以上のものだとして、
[フキョウワ]としては
なるべく自団体ですべてまかなった方がよいと考えている。
が、実際そこまで手が回っていないというのが現状だ。
これをすべてまかないながら、脚本・演出の仕事をこなすのは
よっぽど仕事ができる人間ならいざ知らず
私には到底無理だと思っている。
現状、④・⑤と③の半分くらいを外注せざるを得ない、という感じ。
第二回公演『足掻き(あしかき)』に
“広報・運営協力”として参加いただいたハコボレ角居香苗さんは
とても気の付く方で、多くの業務を先回りして行っていただいたため
すごく助かったし、脚本・演出として作品に注力できた。
改めて感謝しかない。
一方で、私は“制作”の仕事への個人的な理解はまだ浅いし
段取りもうまくいっていない、とも感じた。その辺の段取りの悪さが
作品制作に影響を与えていた部分も少なからずあると思う。

今後、どのように“制作”していくかは大きな課題の一つだ。
自分ひとりで解決できるとは思っていない。
外に内に、協力者を募っていくのが得策だと考えている。
それも含めて、“制作”の話はいろんな場面でしていく必要があるだろう。


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