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超絶技巧

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#オリエント工業

オリエント工業40周年 今と昔の愛人形

オリエント工業40周年 今と昔の愛人形

ラブドールの第一人者である「オリエント工業」の40周年記念展。1977年の創業以来、同社は幾度も技術的刷新を遂げた結果、ラブドールの造形的な完成度を飛躍的に高めてきた。本展は、歴代のラブドールを展示物と写真パネルによって紹介するとともに、その製作工程も写真によって公開したもの。一部のラブドールはじっさいに手に触れることができる、きわめて貴重な機会である。

男性の性欲処理のためのダッチワイフから

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篠山紀信写真展 LOVEDOLL✕SHINOYAMA KISHIN

篠山紀信写真展 LOVEDOLL✕SHINOYAMA KISHIN

写真家、篠山紀信がラブドールをモデルに撮影した写真を見せた個展。山河や廃墟、あるいは映画館などを背景にした等身大のラブドールの写真と、それらの画像を編集した映像が展示された。

ラブドールの造形的完成度が高いことは、改めて言うまでもあるまい。その技術的達成は、ラブドールの意味を人間と人形の境界線上に押し上げた。それは人間そのものではないが、だからといって人形にすぎないわけではまったくなく、ある種

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人造乙女美術館

ラブドールの展覧会。同画廊は、この分野の最大手であるオリエント工業が制作したラブドールの展覧会を4回催してきたが、今回は美術史家の山下裕二を監修に迎え、日本画とラブドールのコラボレーションを実現させた。日本画家の池永康晟による《如雨露》に描かれた女性をモチーフにした作品をはじめ、7体のラブドールが展示された。

注目したのは、やはり立体造形の技術的な完成度。頭と首を接合するうなじに不必要な線が入

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人造乙女博覧会Ⅲ

人造乙女、すなわちラブドールの展覧会。老舗のオリエント工業による3回目の博覧会である。

展示されたラブドールは6体。肢体はもちろん、肌や唇の質感、眼の表情など、きわめて高度な再現性に文字どおり度肝を抜かれた。顔の造作がやや一面的すぎるきらいがあり、アニメやマンガの強い影響力が伺えたが、それを差し引いたとしても、この造形力はずば抜けている。見ているだけで人肌のぬくもりが伝わってくるかのようで、そ

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