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安楽椅子探偵にはなれない

そうです。ミステリオタクです。
まさかの犯人側になってしまいましたが、相変わらず好きです。

動かずして、殺す

「安楽椅子探偵」という言葉がある。「アームチェア・ディテクティブ」ともいう。
ミステリのジャンルであり、探偵のスタイルを表す言葉だ。
現場には行かず、誰かから話を聴いて、事件を解決する。

わたしはミステリオタクの中でも異端とされそうな刑事ドラマ勢なので、実は安楽椅子探偵にそこまで憧れてはいない。

「指殺人」とかいう言葉もある。
ネットでの誹謗中傷を苦にして自殺した人がいるとする。その人を殺したのは実質的には画面の向こうの人間たちとも言える。
書き込みはスマホなど指先ひとつで行えてしまうから、指殺人。

現在わたしが目指しているのは、「指殺人」ならぬ「指復讐」だ。
もう少し格好つけさせてもらうなら、「安楽椅子復讐者」、「アームチェア・リベンジャー」。
うん、ちょっと格好良い。

最小の行動、最大限の苦痛

ネット越しの復讐なんて、昔のわたしが見たら「腰抜け」だと笑うだろう。

今でも「自分が幸せになることが最大の復讐」とか全く思っていない。
「あんな奴、殴る価値もない」とか理解できない。
今だって殺したいし、殴りたい。なるべく苦しんで死んでほしい。

ただ、昔より少しだけ、「じわじわ苦しめる」という手段に魅力を感じるようになっただけなのだ。
これは、わたしが実際に20年近く苦しんだから生まれた価値観なんだろう。

今の流行りはどうだかわからないが、わたしは割と「コスパ」という価値判断が好きだ。
少しの行動で、相手を最大限に苦しめるという方法にも興味が出てきただけのこと。

体調的な問題や、奴らと直接会う手段が限られている、という物理的な問題もある。

わたしのとる行動は出来るだけ小さい方が良い。
法に引っかかるリスクはなるべく減らすべきだ。

その上で、奴らの心をもっとも掻き乱す要素を探る。
大切にしているものは何?
どんな人だと思われたい?
何を目標としているんだろう?
じゃあ、失くしたら困るものは?

嫌いな奴について考えるのは辛いので、まとめてるうちに悪口になることも多々ありますが。

マッチ一本

奴ら自身を爆弾とするなら、わたしは導火線に火をつけるだけだ。闇に紛れて、誰にも見られないように。

奴らに良心があったなら、息を吹きかける程度の労力で爆発しただろう。
SNSでフォローなりメッセージなり送って、私の名前を思い出させるだけで良い。

性善説ではどうにも進歩がないから、もう少し手をかける。
大丈夫だ。リスクを犯せ。
やつらは間違いなく立派な爆弾になる。

わたしをいじめて、もうひとりをいじめて、それでバレなかった。奴らはきっと味を占めた。
気に入らないやつは、多勢に無勢で追い込めば良いと思っただろう。
排除できれば万々歳、そうでなくても多少はスッキリするだろう、と。

のうのうと大人になって、常識的な人間の顔をして生きている。
たとえ良心がなくたって、保身の気持ちはあるだろう。

かつて自分が攻撃した相手が、時間差で報復に転じたら?

いじめられた方は忘れられなくて、いじめた方は簡単に忘れるという。
それなら思い出させるだけだ。芋づる式に、わたし以外の被害者のことも思い出せ。どうせ、そういう生き方をしてきたんだろう?

わたしへのいじめが成功したから、最初に成功体験を積んだから、お前たちは人をないがしろにして生きるしかない。意識的なのか、無意識にやってしまうのかはわからないけれど。

改心なんてきっとできない。なりたくたって善人にはなれないよ。
もし善人になれたとして、それが一番辛い道だと思うけれど。
自分で自分を責め続ける人生なんて。

安楽椅子探偵になれなくても

わたしの目の前に奴らはいない。
だから。
わたしはソファに腰かけながら、奴らの分析をする。
わたしはベッドに寝転びながら、奴らに言葉を投げかける。

指先ひとつ。あとは脳みそをフル回転させて、奴らを袋小路に追い詰める。
「裁く」だなんて、ご冗談。わたしなぞにそんな力はございません(笑)
脅迫なんて中傷なんてしたことがありません。
しようとも思いません。

処刑なんて、奴らの周りの人間か、奴ら自身にやらせれば良い。
世界を敵に回しても、なんて言ってくれる味方がひとりでも残れば良いね?

最初は手が震えても、じきに慣れる。奴らの反応を、トランプめくるみたいに、伸るか反るかで楽しめば良い。
そうして、取り乱すことなく、次の手を考える。

わたしがのうのうと呼吸をしているとき、奴らが当たり前のように恐れと苦痛に包まれていますように。

いつか指先すら動かすことなく、奴らを地獄に縛りつけられますように。

おわり。

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