見出し画像

家族や周囲の温かさに囲まれ、南相馬の漁業に従事

「ふくしまおこしびとPlus」ではふくしまの地域づくりに関するキーパーソンや関係人口の方に、福島の魅力や想いをお話いただきます


平加奈子さん

◤平加奈子さん(たいら かなこ)さんプロフィール◢
 
広島県福山市出身。動物関係の仕事に従事。その後、旅館の仲居として働いていた時に、宿泊客として滞在していた現在の夫と出会い、その後結婚し南相馬市にIターン。義父母が主に操業していた「平安丸」に漁師として乗り込み、南相馬の漁業に従事。夫と子供3人、義両親と暮らしている。

真野川漁港

福島に住んでみてどうですか?

広島と比べて夏が過ごしやすいのが魅力です。浜通りは暑さがそれほど厳しくないため、快適に過ごせます。また、温泉が多いのも大きな魅力の一つで、温泉旅行が増え、日々の疲れを癒す時間が持てることはとてもありがたいです。義父母とはとても良好な関係を築いており、困ったことがあればすぐに相談できます。時折、温泉旅行に誘ってくれる彼らのサポートは心強く、南相馬市での生活が充実しています。

さらに、漁業に従事する中で知り合った仲間たちも温かく迎え入れてくれました。仕事や日常の悩みに寄り添ってくれる彼らの存在は心強く、福島での新しい生活は周囲の人々の温かさに支えられています。

福島の好きなところをおしえてください

福島で好きなところはたくさんあります。まず、遠浅の海がとても魅力的です。山も海も近くにあり、自然を満喫するのに最適な場所です。ドライブをすると美しい景色が広がり、どこへ行っても自然の美しさを感じることができます。そして、高い建物が少ないためか、広々とした青空が感じられるのも福島の特徴です。また、福島のくだものやご飯は本当に美味しいです。地元で採れた新鮮な食材を使った料理を楽しむことができ、特に自分で捕った魚を料理して食卓に並べるのは格別ですね。

福島の魚についての想いをお聞かせください

しらす漁では、豊漁の時には日に40カゴも水揚げされます。あがったしらすはその日のうちに加工され、新鮮でおいしいしらすが楽しめます。福島の海では四季折々の多様な魚が獲れ、季節物の魚は特に脂がのって美味しいです。
最近の海水温の上昇は深刻な問題です。近年の海温上昇で海温が3℃上昇。これは地表面に換算すると約10℃の上昇に相当します。この影響で、例年漁獲される「小女子(こうなご)」が2021年から全く獲れず、それに伴って「しらす」漁も遅れています。こうした変化が漁業に与える影響は大きいです。また、ALPS処理水の排水についても懸念していますが、福島から出荷される魚はすべて安全基準に合致したものです。漁師たちは厳格な管理のもとで、安心できる魚を提供するために最善を尽くしています。地元で誇りを持って採れた新鮮な魚は、ぜひ多くの方に味わっていただきたいです。

獲れたてのしらす

最後にこれからの展望などあれば教えてください

今後は、若い人や興味を持っている方々に漁師のお仕事の魅力をもっと知ってもらいたいです。海の豊かな恵みや、魚のおいしさ、そして美味しい調理方法についても、もっと広めていきたいです。最近は魚を食べる機会が減っているけれど、実は海の恵みってすごく身近で、健康にも良いんですよ。次の世代にも、私たちの大切な海のことを伝えていきたいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?