#170 憩のみんなへ(民報サロン第5回)
2020.4.2 福島民報 民報サロン第5回 全文
「憩のみんなへ」
憩で働くみなさんへ
この文章が新聞にのる頃には、ぼくは、みなさんと一緒に朝礼に出ていません。
健康棒体そうもしていません。
それを思うだけで、切なくなります。
改めて、みなさんに届けたいことばがあって、書いています。
毎日、元気をもらっていました。
「おはようございます」とあいさつすると、より大きな声であいさつを返してくれる。
いつも、すぐにお客さまにスリッパを出してくれる。
「キャッチボールしましょう」と声をかけてくれる。
「仕事忙しかったら今度でいいですよ」と思いやってくれる。
まっすぐな思いやりのことば、動きに、いつもはげまされていました。
毎日、頼もしく思っていました。
Excel、Wordなどを自分以上に使いこなす。
他の会社さんからもらった、むずかしいデータ入力作業も、きちんと納期通りに終える。
1つの作業を、何時間もやり続ける集中力がある。
もし、ぼくが会社を作ったら、即戦力としてスカウトしたいメンバーさんばかりです。
ぼくがお仕事をもらえるよう他の会社さんにお願いするときには、「憩のPC班は精鋭部隊です」といつも言っていました。
心からそう思っています。
毎日、これでいいのかと自分に問いかけていました。
これだけの才能・人材の宝庫。
憩を卒業して、就職したいと思うメンバーさんもいます。
ぼくが卒業するときには、5人いました。
2人の「就職したい」を、ぼくは、叶えることができなかった。
心残りがあります。
みなさんの「本気」の挑戦には、できるかぎり応えてきたつもりでした。
みなさんの「本気」に寄り添えなかったとすれば、自分の力不足にあると思います。
本当にごめんなさい。
毎日、感謝していました。新人だったとき、メンバーさんから「一條さんは、自分より年下なのに、言い方が、えらそうに聞こえます」という苦情をもらったことがあります。
今も強く、心に残っています。
立場なんて関係ない。
人として、目上の人への礼を欠くことはあってはならないことです。
そんな自分が、支援員を名乗るなんてはずかしい。気づかせてくれて、ありがとうございます。
今となっては、お互い、さまざまなことを相談し合えるようになりましたね。
支援する-される、なんてなくて、いっしょに働く仲間だったと心から思います。
みなさんといっしょに働いて、4年。
ぼくは、社会の中で、障がいがあるといわれる人々の活やくの場を広げるようなお仕事をしたいなと強く思うようになりました。
働きかけるべきは、社会に対してなのだと、ぼんやりと思いました。
だって、みなさんはありのままですばらしい才能・能力を持っているんだもの。
ぼくがみなさんになにか良いことができたとは思わないけど、みなさんがぼくに大きな影響を与えてくれました。
ぼくが今、憩を卒業して、別のところで働くと決めることができたのは、みなさんのおかげです。
みなさんがぼくを成長させてくれました。
本当に、ありがとう。
お互い、もっと成長して、笑顔でまた会いましょう!
一條より
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