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福祉・介護の現場の事故報告を隠蔽してしまう原因とは

仕事上ミスまたは自己が起きてしまったり(アクシデント)、事故には至らなかったけど大きな事故になる可能性のあった(インシデント)ことは記録上残して、施設内で協議する義務があります。

それを医療安全対策委員会などで報告し、業務の改善をする必要があります。

しかし、これらの事例が実際には半分くらい隠蔽されている。なんて施設、ケースはよくあることです。
それではなぜこのようなことが起こってしまうのか。解説していきます。

事例を挙げる必要性

そもそも、事故の事例、また事故につながるような事例を挙げることをなぜ全体に周知する必要があるのか。

どの施設いてもこう言われました。

事例は施設の財産。
多くのインシデントを参考に職場の安全確保、働く環境の改善を行い、利用者、職員ともに安全に安心していられる環境を作るために必要なので
どんどん挙げてください。

みなさん、この言葉をよく覚えておいてください。

挙げることを躊躇する理由 

これは危なかったな、これは報告しなくちゃな。
と思っても、実際に利用者に何もなかったし、黙ってれば誰も気づかないからスルーしよ。
と思ってしまうのは実際にそこにメリットや意味を感じず、デメリットがあるからです。

・叱責を受ける
・無能さをされけだす
・書類を作るのは仕事が終わってから
・反映されない、横展開できない

主にこのあたりでしょうか。

叱責を受ける、無能さをさらけだす

事故報告を挙げることは悪いことではない。
それはあなたじゃなくても起こったかもしれない。
ヒューマンエラーに見えて、実はシステムエラーだったりすることがあります。
全貌がわからない事故報告を上司に挙げた時に、
「これ、誰がその時にいたの?誰が介助してたの?そこだよね。」
と言われたことがあります。

「あ、ダメだこいつ。」

ぼくはすぐにそう思いました。
つまり、頭の悪上司はすぐにヒューマンエラーにしようとするのです。
だって、ヒューマンエラーにしてしまえば楽だからです。
考えなくていいからです。

この人のせい体質が抜けない限り、正直に事故報告を出してくる人は増えません。

いつ出すの。仕事が終わってからでしょ

いやいや、今でしょ!

業務中に起こってしまった事故はすぐに報告書を作成し、速やかに提出することが求められます。
現状はどうでしょう。
事故や事故につながりそうなことが起こっても、

「あ、これ書かなきゃな。。。仕事が終わったら。」

そうです、手を止めて現場を離れて報告書を作成している時間なんてないんです。
働いている人に隙間時間なんてそもそも設計されていません。

利用者に急いで介助し、ごはんはどんどん詰め込み終わらせ、介助はそこそこにして時間を無理矢理作り書く。
その時間が取れないとなれば、当然実害がなければスルーってこともあり得ます。ってかけっこうあります。

前述しましたが、覚えていますか?
「事例は施設の財産です」
つまり、施設の財産は職員のプライベートな時間の積み重ねでできているのです。

反映されない、横展開できない

これ、ヒューマンエラーに似てるんですけど

この事例、今回はこんな風な影響が出たけど、実際こんな管理の仕方だとこんなことも起こりうるよね。
ってゆう横展開ができないんです。

また、こんなことがあったから、この対策は業務に必要だから、これをやめたい。ってこと、ほとんど反映されません。
新しいことを取り入れる勇気もなければ、やめる勇気もないんです。
人は皆変わりたくないんです。
上司ともなれば特にそうです。
福祉の現場で役職についているなんてゆう、大したことない既得権益にすがりついて定年したいんです。

横展開できないと当然ニーズも言われたことしか拾えないし、想像を超えるようなサービスはできません。

つまり、出しても変わらないなら出す意味あるの!?
と思っている人がほとんどなのです。

対策

じゃぁ、これどうしたらいいの!?

簡単です。
いま挙げた項目をひっくり返せばいいだけです。

・ヒューマンエラーはなく、全てシステムエラーで考えていく
・事故報告は起きたらすぐ出せる人員配置にしておく、または優先順位を高くして、やめる仕事を作っておく。
・とにかくやってみる精神を植え付け、挙げた対策で小さな成功事例をどんどん作っていく

これだけで働く環境はずいぶん変わるはずです。

まぁ、「これだけ」をするのは管理職の仕事なのでかなり難しいのですが。。。

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