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「海馬/脳は疲れない」を読んで1   大人になっても記憶力は低下することはない

この本は池谷 裕二(いけがや ゆうじ、1970年生まれ)さん
日本の脳研究者、薬剤師であり東京大学・大学院薬学系研究科・教授。神経科学および薬理学を専門とし、海馬や大脳皮質の可塑性を研究する。脳科学の知見を紹介する一般向けの著作も書いている。

と、

糸井 重里(いとい しげさと、1948年生まれ)さん
日本のコピーライター、エッセイスト、タレント、作詞家。株式会社ほぼ日代表取締役社長。フィールズ株式会社社外取締役。

との対談をまとめた内容です。

この本は、「ぼくらの未来をつくる仕事」の豊田氏が医学部を目指すきっかけになった本であり、対談形式で読みやすく、分かりやすい内容の本です。


池谷さんが雑誌の対談で「頭のいい状態」「頭が働いていない状態」という言い方をしている部分に糸井さんが関心を持ち、
『これは自分を「頭の悪いやつ」と卑下していないで、その人なりに脳を活用する生き方を選択することでイキイキと生活できるようになるのではないか。あらゆる人がこの世に生まれたことをもっと肯定できる』
と考えたのがきっかけだそうです。

頭の良し悪しをプロセスとして捉え、試験勉強の為の脳の使い方ではなく、生き方としての脳の使い方を知ることができれば。もともと勉強ができなかった自分のような人間が楽しくなれる、と糸井さんは考えたそうです。


たとえば

ある企業の企画で、さまざまな年齢の人を対象にして、アルツハイマー型痴呆症の判定シートを覚えてもらい、その暗記した一時間後にもう一度思い出してもらう、という実験をした。

そうすると、見て覚えるだけだと大人と子どものあいだの成績にほとんど差はなかったが、描いて覚えると大人のほうが成績が良くなる。
この結果から大人になっても記憶力は低下することはない
自分の手、というフィルターを通して「受け手」から「送り手」の立場になることで「自分の経験した記憶」になる。

これは年を重ねるほど脳をうまく活用することができることを示しており、そのために「手を動かすこと」がいかに重要か、ということにつながっていきます。


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