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「海馬/脳は疲れない」を読んで14 記憶と夢

寝ることで海馬が整理されて記憶として定着する、というのは今では常識となりつつある。

眠っている間に海馬は、神経細胞1つ1つの整理をしている。
海馬の神経細胞は全部で1000万ぐらいあるのだが、仮にそれを1,2,3、と番号をふったとする。

夜寝ている間に「朝は1番の神経細胞を使った、お昼には3番、夕方には4番を、夜中には5と6を」と思い出しながら、急に2番と4番をつなげたり、1番と5番をつなげたり、新しい組み合わせをつくりだしている
そこで整合性がとれているかを検証しているという。

睡眠時に夢を見る、というのはその記憶の整合性のチェックが原因と言われているが、睡眠不足で記憶の整合性をとる時間がないと、夢を見ることができないため幻覚という形で記憶の整合性の検証をしだす

幻覚で夢の代用をするほど、夢(睡眠)は大切ということだ。

眠っている間に海馬が情報を整理することをレミネセンス(追憶)というが、これは非常に面白く、
例えばずっと勉強していて「分からない」部分が、ある時急に分かったり、どれだけ練習してもできなかったことがある日突然できるようになる。

あれは脳が夜、情報の繋ぎ変えをしているうちにできるようになった、という事だそうだ。
なので、例えば仕事の締め切りがまだ先であっても早めに目を通しておく、というのはとても重要な姿勢だといえる。


記憶の定着、という観点からすると、失恋や失敗などは人を賢くする
サルの実験では、ミスをしたサルの方が記憶の定着率が高いそうだ。脳は消去法のように「ミスをした方向に進まないことで道を選ぶ」という性質がある。
間違える、ということが実は脳にとっては飛躍のチャンスだ。

また、偏桃体や海馬によって人間は記憶するのだが、それらを一番活躍させる状況が生命の危機。
なのでちょっと部屋を寒くする、空腹にしておく、という状況は脳を余計に動かす。

また、偏桃体を働かせる卑怯な例として、「感情に絡むエッチな発想をするとものごとを憶えやすい」というのがある。

暗記で困っている方は、ばかばかしいなどと思うかもしれないがぜひ「感情を揺さぶる(働きかける)覚え方」を試してみてはいかがだろうか。

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