はじめてコウジと寝た日.4
ここまでのおさらい(ざっくり)
・コウジとは糀であり、これは糀が生まれるまでの物語
・こどもたちが自然の中であそぶ姿から学ぶことがいっぱい!
今回はいよいよ・・・?
さあ、種麹を混ぜよう!
広げて冷ますとき、お椀に少しだけ蒸し米をわけておく。
そのお米に種麹(タネコウジ)をまぶす。
種麹は、麹づくりの元になる種菌のこと。
「もやし」とも呼ばれていて、
漫画『もやしもん』のもやしはここからきている。
うちのお店、いちょう庵にも置いてるので、
読みたい方はぜひ!
発酵のこと、麹のことがさっぱりでもめちゃめちゃ面白いです。
もやしもんとは、農大を舞台に繰り広げられる、菌を肉眼で見ることのできる沢木惣右衛門直保とその周りの人&菌たちの物語。
米騒動ならぬ麹騒動
麹屋さんとか昔はいっぱいあったんかなーと思って調べてみたら、おもしろい話があったので紹介します。
文安の麹騒動(ぶんあん の こうじ そうどう)
室町時代、京都において酒造工程の一つである麹造りを支配していた座(北野麹座)が室町幕府に鎮圧されて没落した事件。この結果、麹の専門業界は没落して酒屋業へ組み入れられた。
特殊な技能を有し、一種の秘伝として受け継がれていた麹作り。
酒や味噌など調味料に欠かせない麹を「製造販売できること」はものすごく大きな力だったようで、その権利と利益を巡って度々紛争が起こったそう。
独占と聞くと悪いイメージだけど、自分たちにしかできない技をもってるのは、今も昔も強みだなあと思う。でも現代はどっちかというと、いいものは伝えて、広げてシェアしていこうみたいな風潮があるように思う。
もちろん時代も背景も違うから比べることなんてできないけど。
独り占めよりも、周りもしあわせになれる手段を選んだ方が、結果的に自分もしあわせになれるんだろうな、てことを考えたりしました。
何をするかより、誰とするか
(急に話を戻しますが)
そんなもやしをまぶしたお米を、全体にぱーっと混ぜます。
そして・・・手でもみもみ!
この、良い菌が舞ってる雰囲気の写真がすごくすき。
そして、このみんなでわいわいやる感じがすごく楽しい。
たぶん1人でやったらこうはならなくて。
手しごとっていうのは、しゃべっても、しゃべらなくても、誰かの存在を感じながらやるから余計に楽しいなあと思う。
今年もまた、何人かで集まって、もんぺ作りをしよう。
お昼には美味しいお米でおむすびを食べよう。畑で作った野菜も一緒に収穫して、食べたいな。地域のおかあさん、じいちゃんばあちゃんにも来てほしいな。興味のあるひと、またふいにでも声かけてくださいね。
糀、育ててみる?
種麹をまぜこんだら、すべすべになったその手で米袋にいれる。
米袋が湿度をいい感じに保ってくれるらしい。
そしたら、加温して発酵をうながし、完成を目指す。
最初の加温までが、この日わたしが教えてもらう工程、のはずだった。
でも作業中、さっちゃんが言った。
「よかったら、家で糀育ててみる?(にこにこしながら)」
「・・・はい!」
こうして、わたしはコウジ改め"糀ちゃん"をうちに連れて帰ることを決めたのです。ここからが大変で、でもこれまたすごーくいい時間だったのです。
つづく
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