見出し画像

ルッテ内閣の総辞職について

今日、オランダのルッテ内閣が総辞職となりました。


【AFP=時事】(更新、写真追加)オランダのマルク・ルッテ(Mark Rutte)内閣が15日、児童手当の不正受給問題をめぐり総辞職した。多数の親が児童手当を不正受給したと当局から不当な疑いをかけられて多額の返済を求められ、経済的に困難な状況に陥ったとされる。

不正受給はもちろん許しがたいですが、かといって、法律にのっとって受給した子供手当を無理やり返せというのは、さすがに許されません。
人種に基づいて(外国姓の家庭が)狙い撃ちされたようです。(不当な)返還請求が多額に上り、破産したり家を売ったり、多額な借金をしたりした家庭もあったと。

そういえば日本でも、中国からの一時滞在者が国民健康保険を使って高額医療を受けられるように斡旋する業者がいるって、以前報道がありました。
そういう不正受給事件について、腹立たしい気持ちはよく分かります。

ここで、


「10人の真犯人を逃すとも 1人の無辜(むこ)を罰するなかれ」

という言葉を思い出します。


一部の不届きな連中による不正受給の事例があったとしても、そのことをもって、正当な権利のある外国姓(/ムスリム)の家庭を狙い撃ちして変換請求という不法行為をして良いわけではありません。
それは、移民排斥につながります。

ちなみに、日本では生活保護の不正受給が問題になってますね。不届きものがいるから、支給をもっと厳しくしろと。
でも、生活保護の不正受給って、全受給額の0.45%なんですね。
そのために大多数の貧困層がとばっちりを受けるのは、ひどい!!

ルッテ首相はハーグで記者会見を開き、自身の内閣の総辞職を発表。「法規は大きな権力を持つ政府から市民を守らなければならないのに、今回は極めて悪い方へ進んだ」と認めるとともに、ウィレム・アレクサンダー国王(King Willem-Alexander)に内閣の辞表を提出したことを明らかにした。

ルッテ首相、非常に、真摯です。
どこぞの国の(AB前)総理とは違います。こちらは、自分が悪いことをしても、国会審議でうそをついても、「続けることが責任を果たすことだ」と言ってはばかりませんから。まあ、それを国民が許容しているのも。。。

で、こちらが国王に辞表を出しに行ったルッテ首相。

画像1

やっぱりいつもどおりの自転車!! ステキ!! 💖
(ルッテ首相は、通勤はいつも自転車です)
夕方のニュース番組でみたのですが、これで、そのまま王宮に行って、守衛門を挨拶しながら潜り抜け、王宮の入り口・階段前に自転車を停めてから、小走りで入っていきました。。。
なんか、「先生に連絡帳を提出しに行く」ぐらいの軽い感じで。。。 笑

いや~さすがルッテ(前)首相!!

さて、一方で、総選挙まであと二か月に迫った今、情勢をどう見るか。

第三者委員会の報告が年末に提出され、昨日、前内閣でMinistry of Social Affairs and Employment大臣だった労働党(野党)党首のLodewijk Asscher氏が党首を辞任し、続けて今日、内閣総辞職になりましたた

また、移民排斥を掲げる第二党自由党のWilder氏(ムスリム嫌い、4年前の選挙でルッテ氏と争って負けた)を念頭においても、ここで移民問題に対する旗色を鮮明にしたほうが良い、との判断もあったかもしれません。

おそらく、ルッテ氏は総選挙で再選されると思います。


最後にどうでもよいことですが、ちょうど先週のプログラミング教室で第三次ルッテ内閣の写真を使ったところでした。
中学生・高校生のPython クラスで OpenCV による画像認識・AIのプログラムを教えていて、顔認識の題材として。。。

画像2

春になったら、第四次ルッテ内閣の写真を題材に使うことでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?