「ティモンディ前田作戦」で乗り切った新年の挨拶
僕は昨年8月に結婚をした。大変愉快な2人の時間を過ごしている。が、妻は割と大人しい性格なので他人がいると人見知りがautomaticに炸裂し萎縮してしまう。
当然、うちの両親と会う時も例外ではない。
結婚をすると正月、両家の実家に里帰りして新年の挨拶をするというイベントが発生する。里帰りと言ってもどちらの実家も電車で数駅の近所だけど。
年始で1月1日しかみんなの休みが合わなかったためこの日に実家をはしごした。何?実家をはしごって。昼にうちの実家。夜に妻の実家、という実家食傷気味スケジュールになった。
さて、昼の部であるうちの実家に行く前から妻が緊張し始めてるのが伝わってきた。「何話そうかな」「ちゃんと答えられるかな…大丈夫かな」と呟いていた。
「就活の面接じゃないんだから」とツッコんで和ませたけどそんな気休めではなく具体策を請求された。
そこで僕らがとったのは「ティモンディ前田作戦」だ。この世にそんなものはない。僕が勝手に名付けたものだから。(テンポを出すため敬称略で失礼します)
一体どういう意味かと言うと、ピュアで太陽のような高岸と、本が好きで技巧派の前田で結成されたティモンディというお笑いコンビがいる。
底抜けに明るい性格と強烈なキャラで高岸がフィーチャーされる事が多いが、ちょっと待っていただきたい。実はこのコンビ、前田の存在があってこそなのである。
いつもエピソードのタイトルを言って「この前こんな事があったんだよね?」と高岸に絶妙なトスを上げる。そして高岸がホームランを打つ。実は前田が攻撃の起点なのだ。
僕ら夫婦はこのティモンディのシステムを知っていたので今回導入させてもらった。実家に帰る道中に「最近は仕事で色々あったんだよね?」「引っ越しの時、大変だったよね?」とトスの練習。
そして対する話の続きも。実家での会話なんかホームランを打つ必要はない。何となくで平和に会話が終わればいい。付け焼き刃のティモンディ前田作戦は到着までに一応、完成した。
そして、昼の部開幕。そもそもうちの両親はフランクで緊張させるようなタイプじゃないけど完成したばかりの前田作戦で先手を取る。僕が話の導入を言って妻に渡す。これで話し始めるのが苦手な妻も会話を始められる。
よし。いい感じだ。話もそれなりに続いた。その時、同席してた僕の妹が一言。
「なんかめっちゃ仲良いね」
そっか。
会話が円滑に進むかどうかより仲の良さが勝ったか。じゃあそれでいいよな。
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