春霞(短編小説)

麗かな陽気に誘われ、峠に棲む山姥が外に出てきた。

『桜が咲き、暖かな春霞、人も動物も、、そして私も冬籠りから解放される。』

『静から動へ、身体が疼く。』

『こんな夜は朧月夜。輪郭がぼやけ命も儚い。』

そして旅人は旅を急ぐ。

私の元へ。

『今夜はそぼろ肉でも食べようかねぇ〜』

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