1/nの確率で当たりが出るくじをn回引いてちょうど1回当たる確率【毎日投稿14日目】
14日目です。
これまで「毎日投稿」では、シリーズ物はありませんでしたが、今日はあえて昨日の続編です。
ぜひ昨日の記事と合わせてご覧ください。
問題
常に $${\dfrac{1}{n}}$$ の確率で画面に当たりが表示されるボタンを $${n}$$ 回押したとき、ちょうど1回画面に当たりが表示される確率を $${P(n)}$$ とする。このとき極限 $${\displaystyle \lim_{n\rightarrow \infty} {P(n)}}$$ を求めよ。
こたえ
いわゆる「反復試行」の問題です。
$${\displaystyle P(n)={}_{n}\mathrm{C}_{1} \cdot\frac{1}{n}\left(1-\frac{1}{n}\right)^{n-1} }$$
となります。
計算により
$${\displaystyle P(n)=\left(1-\frac{1}{n}\right)^{n-1} }$$
と書きかえられます。
ここから
$${\displaystyle \lim_{n\rightarrow \infty} {P(n)}}$$
$${\displaystyle=\lim_{n\rightarrow \infty}\left(1-\frac{1}{n}\right)^{n-1} }$$
$${\displaystyle=\lim_{n\rightarrow \infty}\left(\left(1-\frac{1}{n}\right)^{-n}\right)^{-1+\frac{1}{n}} }$$
$${=e^{-1}}$$
($${e}$$ は自然対数の底)
を得ます。
確率 $${\displaystyle e^{-1}=\frac{1}{e}}$$ は約36.8%となります。
結論(前回の結果と合わせると…)
前回の結果と合わせるとnを大きくすると
「少なくとも1回当たる確率は約63.2%」
「ちょうど1回当たる確率は約36.8%」
ということで、ちょうど1回当たる確率が少なくとも1回当たる確率のうち半分以上を占めていますね(条件付き確率の考え方)。
まとめ
今回は確率の素朴な疑問を極限を使って考察してみました。
明日、さらに続きの記事を書きます(どんな記事を書くか予想がつくかもしれません)。
普段はサイトで大学入試レベルや大学入門レベルの数学の記事を書いたり、気が向いたときにYouTubeに動画を投稿しています。
ぜひ、そちらもご覧いただけましたら幸いです。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
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