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砂と共に歩んできた人類─『砂と人類―いかにして砂が文明を変容させたか』

建物、道路、コンピューターチップ、石油や天然ガスの採掘―砂は、世界で最も重要な固体であり、現代文明の土台をなす物質である。人類が砂なしでは生きていけなくなるまでに、なにがあったのか。砂によって我々が直面している問題とは?文明を支える砂よりも頑丈な土台はあるのか?一粒の砂から浮かび上がる、人類社会の全体像。

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コンクリートは砂と砂利をセメントで固めたもの,ガラスはケイ砂を溶かしてつくり,パソコンの基幹部分であるコンピュータチップの製造には高純度のケイ砂が必要となる.
つまり,近代以降の人類の生活を発展させた技術には砂がつきものである.

本書はジャーナリストである著者が各地への調査をもとに砂を取り巻く危機について綴るノンフィクション.世界は豊かになった一方,砂の恩恵を受ける人類の総数が増え続け,世界各地では砂が尽きかけている.砂を巡る争いは激化しており,「砂マフィア」なる存在も世の中を闊歩している.

身近だからこそ気づきにくい砂という物質の重要性とそれが抱えている問題に気づかせてくれる.


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