「”落ちた”後は上がる以外に道は無し!!」と言った人がいた─『オデッセイ』
さんざん「火星に取り残された男が繰り広げる感動巨編!」みたいな宣伝がされていたが、ネット上に流れていた「火星版DASH村」という表現がまさにジャストフィットな作品だった。
もう単純にエンタメ作品として、なんの癖も嫌みもないとても爽快な気分で観れる作品。
『インターステラー』のマン博士とは打って変わって「とにかく明るいデイモン」と揶揄されるくらいマット・デイモン扮するマーク・ワトニーが魅力的な人物。どんな苦境も持ち前の明るさとユーモアで乗り越える姿はとても爽快。あんだけポジティブな人が近くにいるだけで周りの人も明るくなっていくのだと思う。
誰も悩まずただひたすら前へ進む
この作品で僕が特に感動したのは、とにかく誰も悩まず、ただひたすら問題解決のために愚直に立ち向かっていく姿だ。ああ、これこそ理想の知能生命体のありかた。とても勇気が出る作品。この作品こそ勤め人が観るべきではないだろうか。
ワトニーの「僕には地球上で最も頭がよい人が味方についている」という旨の発言はとても印象に残った。
頭がよい、というとなんだか軽い感じがするけど、知識・知能があるということはより世界への視線の解像度が高いということなのだ。だからこそ、ワトニーは絶望しない。彼は世界が鮮明に見えているからこそ、そこには必ず希望があるのだと信じている。その事実を気づかせてくれるという意味で本作はとても偉大な作品だ。
『インターステラー』を観て柄にも無く泣いてしまったが、本作もそれに匹敵するくらいの傑作だ。
リドリー・スコット凄い!時代が違う僕には『ブレードランナー』は共感できなかったけど、こういった作品をつくれるなんて!もう一度観たい(というか絶対行く)と思える良作でした。
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