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日々雑感2018

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テキストなどを放り込んでいく場.基本的には読書録・映画録になると思います.2018年は精読を心掛ける!
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2018年3月の記事一覧

「武蔵野プレイス」はひとつの風景をつくりだしたのか─背景が語ることはなんなのだろうか3

「ランドマーク」は物語を生む. グーグルで「東京タワー 映画」と検索してみる リリー・フランキーの『東京タワー』が登場する.また右側には江國香織による恋愛小説が検索結果として出てくる.言うまでもなく東京タワーは多くの物語のモチーフとなってきた. 次は「おばけ煙突 映画」で検索してみる 見たことはないがアニメ作品とおばけ煙突を中心とした物語「煙突の見える場所」という作品が出てくる.またおばけ煙突をご存知ない方はこち亀の「おばけ煙突が消えた日」を読まれるといいだろう.昭

夢の場所、夢の記憶

さて,前回の予告通りに今回は建築計画学の創始者である吉武泰水氏による著書『夢の場所,夢の記憶』を紹介します. 合理性の極みと言っても良い建築計画学をつくり上げた人による夢日記の空間分析という一見チグハグな本書.そのチグハグさがとても興味深い本書を簡単に紹介していきます! なぜ夢には自分が育った場所がよく現われるのか。25年間にわたってとり続けた自らの夢の記録をもとに、建築計画学の第一人者が、夢に現われる場所/建築の考察に取り組む。 *** 建築計画学とは?吉武泰水とは

コメダ珈琲に行きたい

東京に来てからコメダ珈琲から遠ざかっていた。この前久しぶりにコメダ珈琲に行ったら、その素晴らしさに改めて感動して泣きそうになった。 名古屋で大学通っていたときはなにかあったらコメダ珈琲へ行っていた。コメダに行って、水みたいな珈琲と網焼きチキンサンドを食べるのがほぼ日課みたいな時期があった。 コメダ珈琲から遠ざかった理由。それは近くにお店がないことが一番大きな要因でしょう。 コメダ珈琲は2005年に東京へ進出してきたと聞いているが、街中ではあまり見かけない。進出はしてきて

AIと人類は共存できるか?

AIと人類は共存できるか? ■長谷敏司「仕事がいつまで経っても終わらない件」憲法改正を行うために総理大臣の大味はアドバイザーとして人工知能「あいのすけ」を採用することを許可したが。。。 人間の言語理解をするに至ってない「弱いAI」しか実現してない本作では、人工知能をカバーするために「人力」が投入される。しかし、その労働環境の誕生とは24時間弛まなく計算を続ける人工知能にあわせてうまれた「最先端のブラック職場」の登場でもあったのだ、その行きつく先は...。 面白すぎる。こ

東京駅丸の内駅前広場にもっと注目してほしい

最近,日本の都市空間においてとてもインパクトのある空間が誕生しました. それが,2017年12月7日に全面供用が開始された「東京駅丸の内駅前広場」です. 2012年に復元が完了した東京駅の駅舎はインパクトを持って完成し,すっかり東京のお馴染みの顔となりました.そして,歩行者空間「丸の内中央広場」,交通空間からなるこの駅前広場も地味ではありますが,東京駅の駅舎と同じくらいとても興味深いプロジェクトです. 何が興味深いのか簡単に解説します(正確な表現ではなかったら,ご指摘く

都市景観についてのノート

パーソナルな世界実写版『ゴーストインザシェル』などで描かれている多言語の看板が入り混じる都市風景に違和感を感じていたが、ウェアラブルデバイスやインプランタブルデバイスで文字をリアルタイム翻訳して表示言語の統一化をはかれるようになると考えれば、その風景に自分が違和感を感じてしまうのもなるほどなと感じた。 リアルタイム翻訳が浸透すれば、今のように日本語の下に英語、中国語を書く必要もないしいちいち表示選択もする必要がないので、むしろ広告のありかたがスッキリするのではないか。そし

ある日の日記

文章を残すということの最大の理由は,自分の行動や思考を外部リソースとして残すことだ.そういう意味ではあらゆる人の「日記」を読むことは楽しい.そこでは自分の日記ですら「他人」の日記のように読めてしまう.ある日の日記. 4/8今日は会社に籠もり,昨日のインタビューのテープ起こしを粛々と. インタビューというのはその場で話を聞くのはとても楽しいのだが,それをいかに文章として伝えるかということを考え始めるととても難しいものになる.理想は聞いてる瞬間に感じているような臨場感をそのま

場所と空間と認識についての断片的なノート

「マンション」 マンションの廊下。ただただドアや窓などの開口部が延々と続くように立ち並ぶ空間、そこは映画「マトリックス」に出てくるような無機質な空間にも思える。空き室があっても廊下からは知ることはできない。実はそこにはだれもいない何も無い空間がぱっくり口を開けて待っている。資本主義の欲望によって生み出されたこの空間は空間が人間を欲望している。 「新しい」 「人間にとって既に熟知した建物と基本的に、類似した空間構成を持つ建物は、外見的にかなり異なっていても、なじみやすく受

『シュルレアリスム、あるいは痙攣する複数性』読書メモ

ド名著なので,かつて残した読書メモです.シュルレアリスムは本当に知れば知るほど面白いです. シュルレアリスム、あるいは痙攣する複数性 シュルレアリスムとは何かに「つきまとわれた」集団 「持続」のなかでの差異 1.ジャック・ヴァシェ、幽霊になる「シュルレアリスム宣言」→先行者(父)に対する攻撃がほとんど不在 アポリネール「テイレシアスの乳房」 アポリネール(父)はヴァシェによって隠蔽される 父のもとに集まった息子たち、それに続く父の死、その死を介しての、とりわけ息子(ヴ

『ゆるキャン△』が素晴らしすぎたので、その思いを綴る

とうとう『ゆるキャン△』のアニメが終わってしまいましたね.毎週のあの至福の時間がなくなるかと思うと,悲しくてやりきれません.寂しさを埋めるために毎日寝る前に漫画版の方を読んでいます. なんでこんなに『ゆるキャン△』が個人的にヒットしたのか軽く文章に残しておきたいな,と思いキーボードを叩いています.同じくヒットされた方も一緒に考えましょう. これは、ある冬の日の物語。 静岡から山梨に引っ越してきた女子高校生・なでしこは、“千円札の絵にもなっている富士山”を見るために自転車を

二重橋駅に〈丸の内〉が追記された

少し前から地下鉄に乗っていて「あら?」と思っていたことがあったのだが,ある人のツイートを見て,やっぱりそうだったのか,と改めて思ったことがある. それは,千代田線二重橋駅に〈丸の内〉という名称が追記されたことだ. 確かによくよく考えてみれば,東京駅に行くには二重橋駅で降りるのが結構近い.これまではなんとなく大手町駅から降りてしまっていたけど,僕がいつも用があるところからは二重橋駅の方が大手町駅より近いかもしれない. そもそもなぜ「二重橋」だったかと言うと皇居へかかる橋に