フォローしませんか?
シェア
山吹誘地
2019年5月16日 21:23
果てない惰性の先は、他愛ない無であった。平々凡々たる暮らしに於ける惰性と、その対極に位置する焦燥に駆られて、苦悩による結実も潜在せず、只、時のみが弛んだ身体を通過して往った。案もなく、因もなく、運もなく、縁もなく、恩もなく、絶望という程の絶望すらなく、凡庸さの頂で、世間を象る紋様の一点でしかないことに己の存在を見出す他、なかった。そんな人生に考という考が或る筈もなく、有象無象に流され、