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#人生カタログ「優」
幼い日の私は紛うことなく「優」しい少年であった。
優しいが故に、周囲からはモノを頼まれ、断ることが出来なかった。
結果として、クラスという社会において、私という人間の位置は「下」として存在していた。
「上」から宿題を頼まれ、断れず、そんな日々が続いた。苦労はしたが、苦労をすればするほど学業の成績は上がっていった。
私は地元で一番の進学校に合格した。そして、今まで私を「下」に見ていた「上」の
詩小説「ルーティン・パイナップル」
ルーティン・パイナップル
日曜日の朝はパイナップルに限る
あの清新な風味を味わえなければ
この素晴らしき日は始まらない
彼女に会うまではそう思っていた
パイナップルを買うために訪れた
八百屋で働いていた彼女に
会うためだけにそこで
アルバイトを始めた
バイトは朝早くパイナップルを
味わう時間などなかった
私はパイナップルのルーティンを
放棄した
代わりに朝早く彼
居酒屋物語
#意味のある文章に疲れた人のための文章 #語彙の練習
「上司に阿諛するような真似はするな」という経験則に基づき、毒バナナでゴリ松課長の頭部を渾身の力で、ひっぱたく。
瞬間、課長の頭皮に張り付いていたと思われる黒々とした鬘が、あらぬ方向へと等速加速直線運動で飛んでいく。
ゴリ松課長の毛根が既に死滅していたことを審らかにした事件から5日。僕は、軽佻な行動を恥じ、罪悪感で呻吟しつつ、ポテトチップス
ショートストーリー「花粉症」〜手段と目的を履き違える話〜
花粉症を予防する注射を打ちに医者に行ったら、「発症してからでしか受け付けられません」と言われた。「予防」は出来ないが、「緩和」が出来るとのこと。
今日は晴天。花は咲き乱れている。僕は外に出てジョギングをする。今日の夜には花粉症が発症するだろう。
これで花粉症のための注射を打つことが出来るだろう。
(※彼は「注射を打つ」という手段に囚われ、本来の目的を忘れている)
短編小説「間違いたい人」
「アニメなんてくだらん。お前は普通に進学するべきだ。えぇ、いや、せねばならない。」
――――まるで担任が世界を代表して僕を批難しているようだった。
客観的に見ればこの表現は大袈裟に見えるかもしれない。
しかし、当事者の僕にとっては、なんて等身大の表現だろう!と寧ろ自身の表現に感嘆の念さえ抱いていた。
その結果に付随して、僕は、僕自身が、世界というものに拒否されている感覚を鮮明に覚えたのだっ
ちなみに「Xmas addiction」の方のオリヴィアは読み終わった後に干物妹うまるちゃんをイメージしてもらうと、全体像がくっきり見えてくると思うのでオススメします(´◠ω◠`) #第1回noteSSF
今回 #第1回noteSSF に2つ作品を投稿しました!振り返ってみると2つとも多少ブラックすぎる(⌒▽⌒)
2つに共通するテーマとしては『 大人になるにつれて、失ってしまうもの 』って感じです。ちなみに僕はまだ18歳なので、このテーマに説得力持つにはまだまだ力不足ですね…
短編小説「ーX’mas addictionー」(1879字)
今年もあの季節がやってきた。娘のテンションが順調に高まっているのを感じる。
18日、「あと1週間…」と言って欲しいものリストを厳選し始める。
20日、「今年はこれが欲しい!」と私に『プレゼントおねがいカード』を渡す。
そして今日は24日。12月、24日。クリスマスイヴだ。サンタさんが日本列島を駆け回り、子供たちに夢とプレゼントを届ける日。それが明日。クリスマスという日だ。
クリスマスは、
短編小説「リア充爆発しろ」
「リア充爆発しろ」
本気でそう思っていた時期があった。
願い事をする機会さえあれば、「どこの誰でもいい、過去でも未来でもいい……。リア充1組でも爆発してくれ……。」
そう思っていた。
「爆発しないかな〜」
道端の中睦まじいカップルを見つめ、そう呟いた日から2年が経った。
今僕には彼女がいる。毎日が楽しい。
しかも今日は初デートだ。待ち合わせは10時。遅刻しちゃいけないよな。よし、待ち合わせ