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言葉との出会い

10年以上前かも知れませんが、

高橋書店の、手帳の広告の、手のひらサイズのリーフレットに
婆の人生に残しておきたい言葉が書いてありました。

気になるコピーや、
ためになる文や、
心の琴線に触れる言葉を、聞いたり、読んだり、目にしたりすると

急いで走り書き、メモし、
あとで、そういった言葉を書き写すノートがあるので、ゆっくり書き写しています。

その時は、リーフレットも小さく邪魔にならないサイズで、
急いで書き写すことなく
あとでやろうと、そのままにしていました。

皆な、忙しいですよね。
婆も忙しく、やらなきゃやらなきゃと、心に引っかかりながら、
青色のリーフレットが時々視界入って、ちゃんとあるのを無意識に確認していました。
半年ぐらいは確かにあったと思います。

が、いつの間にか、なくなってしまい・・・、見つかりません。

焦りました。
と言うより、かなりショックでした。

助詞の一つでも違えば、言葉の何かが違ってきます。

あの言葉どおりを、一語一句違わずに書き留めたかったのに。

書き写していたであろう時間よりもずっと多い時間を費やして探しましたが
今の段階でまだ出てきていません。
さすがに今は諦めて探していませんが。

婆がいつかあちらの世界へ旅立って、身内が後からそれを
思いがけない所で目にしても、広告リーフレット。
まさか長年私が探していた紙、言葉とは思いもしないでしょう。

何だっけ、正確に、何だっけ。

『ありのままを受け入れる』だっけ。
『ありのままに受け入れる』だっけ。

それとも『あるがまま』?
『あるがままで許す』?・・・だったかも・・・。

『ありのまま』じゃなかったっけ。『受け入れる』じゃなかったっけ。
もっと違った文言だったような気もする。
全然違ったような気もしてくる。


・・・婆はすぐ心で文句を言っています。

「普通だったらこうでしょ!」
「婆だったらこうするのに」
「何でこうやらないんだろう?」

身内だけでなく、不特定多数にも、ちょっちゅう怒っています。顔は怒っては見えませんが・・・。
車を運転することが多いので、ますます多かったと思います。

その自分への確信を、覆してくれる言葉でした。

え?なんで?
相手に断然非があったとしても、
あるがままに受け入れるの?

でもリーフレットに印字されているほどの言葉です。
この年、高橋書店に選ばれた言葉です。

あっ、
とはいえ、だからっていう訳ではないんですよ~~~、
いくらブランドに弱い婆とはいえ。
高橋書店に書かれていたからという訳ではなく、
どこに書かれていたって、気にならないものは気になりません。

この言葉は、自ら妙に気になりました。


「自分が正しくて、そっちがおかしい」
いったんは、そう思うのは仕方ないけど・・・。


そうは言っても、
うろ覚えになってしまったその言葉に出会ったからといって、
一皮むけて心が大人になったわけでも、卓越した心境になれたわけでも、
いろいろ許せるようになったわけでもなく、
目立った成長はなく相変わらずです。

それでも、取っときたかったんです、その言葉を。


先週ラジオを聞いていたら偶然、
言葉は違いますが、言ってる意味が似てる!ほぼほぼ同じなんじゃない?
と思うやりとりを耳にしました。

もうスーパーの駐車場に着いて降りるところだったんですけど、
ちょっと聞いていました。
アイドリングすみません。

ラジオで聞いたその言葉は、失くしてしまった紙の言葉同様、
日々日常にも当てはまるし、
さらに、もっと重い意味にも通じていると感じられる、
ラジオの話でした。

失くしてしまった紙のシンプルな言葉も、ラジオの言葉同様、重い意味も
包蔵していたのかもしれません、婆が気づかなかっただけで。

今度の言葉は文節はなく、単語のみで
熊本県天草地方に古くからある言葉だそうです。

今度は忘れないように、すぐnoteに書き留めておきます。

【のさり】

ラジオから聞いたこの言葉、
それから、失くしてしまったリーフレットの言葉との出会いに
感謝しています。