笠松将主演 映画『リング・ワンダリング』 リングワンダリングの意味
http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2795
金子雅和監督らしい壮大な物語
金子雅和監督と言えば美しく迫力のある自然の映像美。音響も良いです。
自然と人間との境界線を舞台にした幻想的な物語が金子監督の作風ですね。
怖いくらいに美しい自然の映像はもちろん健在ですが、今作のテーマは"東京"。
ネタバレできないので、、あまり詳しく書けませんが、、
今作は都会と自然という距離的な横軸ではなくて、3つの時代が入り組んだ縦軸もイメージです。
しかもちょっと世界線も違う時代もあったりします。
広がりのある壮大なこの物語の中心にいるのが、次世代スター俳優 笠松将!
真実をえぐる男 笠松 将
2019年あたりから一気に出演作が増えていますが、僕がインパクトを感じていたのは『カランコエの花』(2018)でした。
『カランコエの花』では悪役と言ってもいいくらいのヤンチャ系で周囲の調和を壊していく役だったと思います。
でも、腫れ物に触れるように当たり障りなく流そうとしているクラスメイトや教師に対して、ズバッと痛いところを突く役どころ。
コントロールが効かない野生的な雰囲気は今作『リング・ワンダリング』でも生かされていましたね。
下手したら、この壮大な物語・不思議な登場人物たちの真ん中にただいるだけの主人公になっていた危険性もあったかと思います。
うまくアウトプットができない人で、基本的にはリアクションをする男。
でもリアクションの演技がすごいし、笑いさえ取れるくらいに面白いので、彼の心の動揺や混乱が観客にもスッと入ってきます。
アウトプットするシーンは、漫画家の役なので「絵を描く」という動作な訳でちょっと地味なんですね。
でも、笠松将自身が絵を描くのが好きで得意らしく、絵を描くということにビビってないし迫力あるし、「絵を描くことでアウトプットする人」という真実味がありました。
片岡礼子、安田顕、阿部純子
ヒロインが阿部純子。二つの時代で二役を演じています。ものすごく古風にも見えるし、現代的な美女にも見えるし、華やかさもあるし憂いもあるし。なんでもできちゃいますね、この人。すごい。
安田顕はメンターですかね。
やはり存在感と温かみがすごい。この役では渋〜い声や表情を見せてくれてるんですが、やっぱちょっっっとだけ面白いってのがずるいですね。
ずるいと言えば片岡礼子。みんな大好き片岡礼子。
『深夜食堂』(2018)、『愛がなんだ』(2018)の片岡礼子が大好き。技巧的って感じじゃないんだけど幅が広い。
ラストシーン
『リング・ワンダリング』のラストシーンはぜひ見逃さないように気をつけてくださいね。
ラストの俯瞰シーンで、この映画がグルッと円環構造に仕上がりますので!
言語化できない感動が押し寄せますので。
リングワンダリングの意味
輪形彷徨とか環形彷徨と呼ばれるもので、方向感覚を失った状態で歩くと円を描くように同じ場所をぐるぐる歩いてしまうという現象。
吹雪で周りが見えないとか、あまりにも広大で目印がない場所だと、利き足に偏って真っ直ぐ歩けずに一方向に曲がって円を描いて戻ってしまうらしい。
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