男性差別から切り拓け! 映画『ビリーブ 未来への大逆転』
さすが今年87歳のルース・ベイダー・ギンズバーグの伝記映画。
50年代、60年代、(70年代は飛んで)80年代それぞれのファッションや美術の変遷が面白い。
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原告の親の介護費用の控除を
国が却下した。
なぜか。
原告は男だから。
当時の税法では
介護費用の控除は女性に限定されていた。
男は仕事あって金持ってるんだから控除いらないでしょ、という法律。
(社会的に弱い立場の女性を守ってあげる優しい法律。ってこと。)
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上記の原告は独身男性。
母親が認知症。
昼間は仕事しなきゃならなくて
母の介護に介護士を雇った。
その介護士の給料を控除したかったが断られた。
介護士の給料を全額国に払ってもらおうとしたんじゃなくて、
給料の金額を課税対象から控除してほしいという話。
女性なら認められるのに、男性はダメ。
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これは性差別。しかも男性への。
裁判で
「この法律は性差別」であり憲法違反だと認められれば
法律上の性差別を認めた先例になる。
法律の中の性差別を潰していく一歩になる。
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しかし
今までの性差別裁判では
「歴史的に女は男に依存してきた。女子供には配慮が必要で法律上の差別は正当。」
「良き妻良き母になるのが女の使命で創造主の法だ。」
性差別があるから変えよう!
どころではなく
性差別自体が正しいものである
という判決だった。
こんな状況じゃ、勝てるわけない。
さぁどうやって戦いましょう。
というのが
この映画の山場。
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原題は『On the Basis of Sex』。
「性別に基づく…」という意味。
Prohibition of Discrimination on the Basis of Sex
性別を理由とする差別の禁止
などで使われる言葉のよう。
邦題はビリーブ。
ドリームとかビリーブとか。。
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演技がとても良いですね。
フェリシティ・ジョーンズもさすが気合入ってる。
主人公ルースのちょっと嫌な感じもちゃんと出してて
人物像に深みがありました。
「特別に素晴らしい女性」として奉っているわけじゃないのが良いですね。
それやっちゃうと逆効果なので。
アーミー・ハマーも良いし
ジャスティン・セローも面白い。
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製作費はかなり少ないのでは。
すごくこぢんまりとした映画ですね。
なんかもうちょっとこの映画特有の個性みたいなものが画面から出てくると良かったかなと思いました。
この感じだと、、
「普通に良かったよ」っていう感想になっちゃう。。
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